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ナスダック、暗号資産に初の本格進出-機関投資家にサービス提供へ

  • 元ジェミニのアウアーバック氏を新設デジタル部門の責任者に起用
  • カストディーサービスから始め、将来的には他のサービスに拡大へ
The Nasdaq MarketSite in New York, US, on Wednesday, June 15, 2022.

The Nasdaq MarketSite in New York, US, on Wednesday, June 15, 2022.

Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

取り扱い規模2位の米証券取引所、ナスダックは暗号資産(仮想通貨)の領域に初めて本格進出する。機関投資家からの需要を資本化する準備を進めている。

  ナスダックはデジタル資産専門のグループを新設し、手始めにビットコインとイーサのカストディー(保管・管理)サービスを機関投資家向けに提供する計画。タル・コーエン執行副社長兼北米市場責任者が明らかにした。暗号資産交換業者ジェミニでプライムブローカレッジを率いたアイラ・アウアーバック氏を起用し、新しいナスダック・デジタル・アセット部門の責任者に就かせる。

  ウォール街の大手金融機関は暗号資産への関与を深めている。相場低迷で雇用が失われ価値が下げているにもかかわらず、機関投資家の関心は根強い。ブラックロックは暗号資産取引プラットフォーム最大手のコインベース・グローバルと提携し、機関投資家によるビットコイン投資と管理を容易にするサービスを開始した。その前には直接ビットコインに投資する初の金融商品を手がけている。チャールズ・シュワブやフィデリティ・デジタル・アセッツ、シタデル・セキュリティーズ、バーチュ・フィナンシャルといった金融機関が出資する新しい取引所、EDXマーケッツも今年、複数種類の仮想通貨の取引を始める。

米証券大手、暗号資産取引所EDXを開設へ-11月に試験開始

  アウアーバック氏はインタビューで「革命の次の波は機関投資家による大量採用が運んでくるだろう」と語った。「その信頼とブランドを市場にもたらすのに、ナスダックほど適した場所はない」と続けた。

  コーエン執行副社長によれば、ナスダックには今のところ仮想通貨取引所を開設する計画はない。規制環境や競争の状況に基づいて今後可能性を模索していくという。

原題:Nasdaq Makes First Big Crypto Push to Lure Institutional Clients(抜粋)

 

 

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