米BNYメロン、仮想通貨の資産管理サービス開始
【ニューヨーク=大島有美子】米金融大手バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)は11日、暗号資産(仮想通貨)の資産管理サービスを米国で始めたと発表した。顧客は同社のプラットフォームを使い、代表的な仮想通貨ビットコインやイーサリアムなどの保有や移動ができる。株や債券など伝統的な金融資産と合わせてデジタル資産を管理したい顧客の需要を見込む。
安全面やコンプライアンス(法令順守)を担保するためにフィンテック企業と連携した。仮想通貨の資産管理技術を提供する米ファイアブロックスやブロックチェーン(分散型台帳)分析の米チェーンアナリシスの技術を組み入れた。
BNYメロンは2021年2月に当時大手銀で初めて仮想通貨の資産管理サービスへの参入を発表し、米規制・監督当局との調整を進めてきた。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ、電子版)はニューヨーク州当局の認可を得たと報じている。
BNYメロンが5~6月と8~9月にかけて実施した機関投資家調査によると、機関投資家の41%が仮想通貨を保有しており、15%が今後2~5年以内にポートフォリオに組み入れる予定だと答えた。72%が「あらゆるデジタル資産管理に必要な機能を総合的に提供してくれるサービスを好む」と回答した。
仮想通貨を株や債券などと一括で運用・管理するニーズは投資家の間で高まっており、米金融大手によるサービス提供が広がりつつある。資産運用最大手のブラックロックは8月、仮想通貨交換業大手の米コインベース・グローバルと提携すると発表した。ブラックロックが機関投資家向けに提供するリスク管理システムを通じ、デジタル資産の取引や管理機能を提供する。