米コインベース7~9月、最終赤字810億円 取引低迷
【ニューヨーク=佐藤璃子】米暗号資産(仮想通貨)業界大手、コインベース・グローバルが3日発表した2022年7~9月期決算は、最終損益が5億4463万ドル(約810億円)の赤字(前年同期は4億610万ドルの黒字)だった。3四半期連続で赤字を計上した。ビットコインなど主要仮想通貨の相場低迷が続き、取引が減少した。
売上高は前年同期比55%減の5億9033万ドルだった。総取引高は51%減の1590億ドルにとどまり、3四半期連続で減少した。月間の取引利用者は850万人だった。前年同期(730万人)に比べ増加したが、22年4~6月(900万人)からは減った。
コインベースは「株主への手紙」で7~9月期について「マクロ経済環境の悪化で取引から得られる手数料収入が大きく減った」と述べた。営業費用の削減などにも引き続き力を注ぐ方針を示した。
ビットコインの価格は足元で2万ドル前後で推移しており、1年前の7万ドルに迫る最高値から大きく下落した。米連邦準備理事会(FRB)は2日に0.75%の利上げ継続を決定した。大幅利上げが続くなか景気後退への懸念が高まり、投資家はリスク回避に動いている。コインベースの収益は取引ごとに徴収する手数料に依存しており、相場に業績が左右されやすい。
23年の見通しでは「現在のマクロ経済環境の悪化が続くと想定し、保守的に準備を進める」と述べた。