バイナンスと趙ＣＥＯ、米商品先物取引委が提訴－規則違反の疑い

世界最大の暗号資産（仮想通貨）交換業者であるバイナンス・ホールディングスと同社の趙長鵬最高経営責任者（ＣＥＯ）が、トレーディングおよびデリバティブ（金融派生商品）の規則に違反した疑いがあるとして、米商品先物取引委員会（ＣＦＴＣ）が提訴した。

　　この情報が伝わった後、ビットコインは下げを拡大し、一時3.9％安の２万6722ドルを付けた。バイナンスが発行した仮想通貨、バイナンスコイン（ＢＮＢ）は約3.5％安の315.70ドル。

　　ＣＦＴＣは27日、シカゴの連邦裁判所に訴状を提出した。バイナンスは適切な登録義務を怠っていたと、ＣＦＴＣは説明した。

　　ＣＦＴＣはバイナンスが米国居住者の仮想通貨デリバティブ売買を容認していた疑いがあるとして、少なくとも2021年から調査を進めていた。ＣＦＴＣは通常、米国居住者にプラットフォームでの取引を開放する場合には運営事業者に登録を義務付けている。

　　バイナンスはＣＦＴＣの提訴について、「予想外で残念だ」とするコメントを発表。同社は２年余り前からＣＦＴＣと協力しており、今後も米国およびその他地域の当局と協力していくと表明した。

　　「われわれはこの２年間、自社プラットフォームで米国人ユーザーが活動していないことを確認するために多大な投資を行ってきた」と主張。コンプライアンス（法令順守）チームを拡大するなど監視を強化する措置を講じていると説明した。

　　趙ＣＥＯはバイナンスのブログにＣＦＴＣが指摘している問題には不正確な事実関係が含まれているようだとし、「同意できない」と投稿。趙氏自身も社内ポリシーを厳格に順守しているとコメントした。

原題：Binance and Zhao Sued by CFTC Over US Regulatory Violations (1)、Binance, CEO Zhao Sued by US Over ‘Sham’ Compliance Measures (4)、Cryptocurrencies Decline After Binance, Founder Sued by CFTC（抜粋）