コンテンツにスキップする

ビットコインは4万2000ドル近辺の水準維持、株式や金と一線を画す

  • 5日続伸後はやや伸び悩み、モメンタム指標が行き過ぎ示唆
  • 年初からの大幅上昇で世界株価指数や金相場との相関が薄れる

暗号資産(仮想通貨)ビットコインは一時、約1年7カ月ぶりの高値を付け、株式など世界的に下落が目立つ他市場とは一線を画し、デカップリング(切り離し)の兆候が示されている。

  4日の取引でビットコインは4万2000ドル台に乗せ、前日比5.8%上昇と大幅高で終了。5日のアジア時間はこの大台をやや下回る水準で底堅く推移している。これとは対照的に、世界の株式と債券の指数は週明けから下落している。

  ファンドストラット・グローバル・アドバイザーズのデジタル資産戦略責任者、ショーン・ファレル氏はリポートで、市場間の乖離(かいり)について「暗号資産と他の伝統的なマクロ資産との相関が低下している現状を裏付けている」と指摘した。

  ビットコインは、現物投資型の上場投資信託(ETF)が米国で初めて承認されれば、需要拡大につながるとの期待を背景に上げ足を速め、年初来の上昇率は152%に達している。これによって、今年は株式や金などとの相関性が低下している。

Breaking From Stocks | Bitcoin's correlation with global shares has ebbed through 2023
 
 

  ビットコインとMSCI世界株価指数の相関係数(90日)は、年初の0.60から0.18まで低下。金スポット価格との相関係数は、年初の0.36からほぼゼロまで水準が切り下がっている。同係数は1に近いほど方向性の一致、マイナス1に近いほど反対方向を示す。

  暗号資産業界特有の要因としては規制を巡る問題もある。ここ数週間では、 交換業者FTXの創業者、サム・バンクマンフリード被告に詐欺などの罪で陪審の有罪評決が下るなどさまざまな動きがあった。市場では米規制当局による取り締まりが最も厳しい時期を脱したとの期待感が強まっている。

  一方、相場のモメンタムを示す相対力指数(RSI、14日間)などいくつかのテクニカル指標は、ビットコインの上昇行き過ぎを示唆。RSIは足元で75と、買われ過ぎの目安となる70を上回っている。

  また、米証券取引委員会(SEC)が来年1月までにビットコイン現物投資型ETFを承認するとの観測で投機的な思惑が助長されている上、米金融当局が来年に利下げするとの観測で投資家の動きが活発化している面もある。

関連記事

原題:Bitcoin Holds Near $42,000 as Rally Weathers Retreat in Equities(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE