ビットコイン1400ドル台、最高値更新 日本勢の買いが要因か
【ニューヨーク=山下晃】インターネット上の仮想通貨であるビットコインの取引で2日、ドル建て価格が1ビットコイン=1400ドル台に乗せ、過去最高を更新した。ビットコイン情報の運営サイト、コインデスクによると、円建ての取引が優勢で日本勢の買いが価格の押し上げ要因となっている可能性もある。
3日の取引では午前9時(日本時間午後10時)の時点で1400ドル台半ばで推移。2日には一時1466ドル台まで上昇した。4月以降の値上がり率は3割を超えた。
コインデスクによると、1日の取引では日本円の取引が52%と過半を占め、米ドル(28%)や人民元(8%)を大きく上回った。日本で徐々に利用場所が広がりつつあり、ネット証券が仮想通貨取引に積極的に参入する方針も伝わっている。
ビットコインは時間が経過するにつれ、技術的な制約から「発掘(マイニング)」と呼ばれる新たな供給が難しくなるという。米調査会社ARKインベストのアナリスト、クリストファー・バーニスキー氏は「昨年夏時点でビットコインの供給量は年率4%増と、従来の8%増から伸びが半減した」と指摘。供給の鈍化が価格上昇の一因になったと分析する。
今年に入りビットコインは荒い値動きが続いている。3月にはビットコインの株価指数連動型上場投資信託(ETF)が米国で認可を受けるとの期待から高値をつけたが結局、米証券取引委員会(SEC)の認可は見送られて価格は急落した。 さらに、開発技術者らの意見対立により現在のビットコインが2つの勢力に分裂するのではとの観測が浮上し、3月下旬には1ビットコイン=800ドル台まで下落する局面もあった。観測後退に伴いビットコインも徐々に値を戻してきた。別の仮想通貨である「イーサリアム」や「ライトコイン」も含め全体的に価格が上昇傾向にある。