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コンビニでビットコイン決済、国内で数十万店舗の可能性も

更新日時
  • ビットコイン決済端末用ソフトウエアを他社と共同開発、夏頃発表へ
  • 将来的には国内の数十万店舗の規模で一気に広まる可能性

東証マザーズに上場するリミックスポイントの子会社で仮想通貨「ビットコイン」の取引所を運営するビットポイントジャパンは、国内大手コンビニチェーンとビットコイン決済の導入に向けて協議している。

  同社の小田玄紀社長(リミックスポイント社長も兼任)はブルームバーグ・ニュースのインタビューで「現在すでに大手コンビニと協議中で、早くて年末、多分来年には内容を発表できる」と話した。
  

BITPoint Japan Co. Genki Oda Interview

小田社長

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  同社は同時にビットコイン決済端末用のソフトウエア開発を他社と共同で進めている。すでに決済端末の供給網を持っている決済サービス会社と組んでおり、「将来的には数十万店舗」という規模で一気に広まる可能性があると話した。相手企業については「上場している国内企業」と述べるにとどめ、夏ごろをめどに具体的な内容を発表する予定だ。

  4月に登録業者以外による仮想通貨の売買を禁じる改正資金決済法が施行されたことで、国内ではビットコインの導入が進んでいる。同社とANAホールディングス子会社の格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーションは22日、ビットコインで航空券などの購入を可能にする決済システムを年末までに導入すると発表。家電量販大手のビックカメラも4月に都内2店舗でビットコインの決済サービスを開始している。

  小田氏によると「国内ではビットコイン決済を導入済みの店舗でもほとんど活用されていないのが現状」。「中国人などビットコインに親しんだ訪日外国人をターゲット」とし、店舗や宿泊施設などへの普及促進を目指す。同社は中国最大のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を手掛ける微博と提携しており、訪日客が決済導入店舗を検索できるようにして誘導できるようにする考えだ。

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ビットポイントジャパンのATM

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  香港のビットコイン取引所ゲートコインのマーケティング責任者、トーマス・グルクマン氏は、ビットコインについて「リスクがあり危険なものとの認識から、規制しながらも活用すべきものとして変化した」という流れが世界的にあると話す。さらに、ビットコイン技術全体の課題は根幹となるブロックチェーン(分散型デジタル台帳)を利用するための手数料だと指摘。「ビットコインの利用が広がると、取引手数料の高さに考えを改める動きが出るかもしれない」と話した。

  ビットポイントが利用者に課す決済手数料は利用額の1%と一般的なクレジットカード決済の手数料を下回る。小田氏は、同じ取引所間でのビットコインの取引は毎回ブロックチェーンに書き込んでいるわけではないことや、ビットコインによる決済のほかにも投資目的のビットコイン売買が多数あることから、ブロックチェーン利用の手数料というコストは「十分吸収できる」と話した。

主流は現在では投資目的

  小田氏によると、ビットコイン保有のほとんどが投資目的で、実際の買い物での決済利用はまだ少ないのが現状。国内には10カ所のビットコイン取引所があり、昨年3月に開設したビットポイントは後発組だ。国内全体では約30万人が口座を開設しており、取引額は1日当たり約100億円から150億円規模で推移しているという。

  リミックスポイントの株価は29日、午前の取引で値幅制限いっぱいのストップ高となる場面が何度かあった。午前の終値は前週末比18%高の639円。出来高、売買高はそれぞれ東証マザーズ市場で首位、値上がり率は2位となっている。

(株価情報などを追加しました.)
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