ビットコインって結局何? 過去から未来予想図をひとまとめ

ビットコインのイメージ

Andrew Burton/Getty Images

ビットコインが価格急騰で注目を浴びている。5月25日の相場は1ビットコイン=2800ドルとなり、4月末の1200ドルから大幅に値上がりした。

ビットコインを認めている国なら、現地通貨と同じように食料雑貨や衣服を買える。ただしビットコインは完全なデジタル通貨である。つまりポケットに実際のビットコインを入れて持ち歩く人は誰もいないということだ。

ビットコインは政府や中央銀行とは無縁で、ブロックチェーンとして知られるネットワークで体系づけられている。ブロックチェーンとは端的に言えば、個別の取引記録を全て一か所で安全に保管するオンラインの台帳で、誰かがビットコインを売買すると、その取引が記録される。これら多様な取引が数百件になると一つのブロックを形成する。

こうしたブロックをコントロールする者は誰もいない。ブロックチェーンはビットコインの財布があるコンピューター一つ一つに分散されているからだ。ビットコインの財布はビットコインの購入によってのみ手に入る。

「採掘」できる唯一のお金

ビットコインは、オープンで分散化された通貨という成り立ちの通り、個別の国家と結び付いたお金よりも、迅速、安価、かつ信頼できる支払い形態とされている。さらに、利用者は、自分自身(とそのコンピューター)の能力があれば、理論的には自ら通貨を「採掘」できる仕組みを持った唯一のお金である。

自分の高性能コンピューターを使って採掘しない人であっても、ビットコインを売買することはできる。コインベースやローカルビットコインといったオンラインの取引所を通じて取引するのが一般的だ。

2015年の調査によると、ビットコインの利用者は白人男性が圧倒的に多いが、所得はまちまちであることが分かった。またビットコインを最も多く保有する人たちは、違法な目的で使う可能性が高いことも、調査結果からうかがえる。

それぞれのビットコインには16進法コードとして知られる複雑なIDがある。これを盗むのは、クレジットカードの情報を盗むより何倍も難しい。ビットコインの発行量は有限のため、ビットコインやその一部が行方不明になる可能性も低い。

ただし、クレジットカードによる不正な支払いが取り消せるのに対し、ビットコインの取引は取り消すことができない。

ビットコインのATM

REUTERS/Bogdan Cristel

発行上限は2100万

ビットコインは発行量に2100万という上限が決まっている点が独特だ。ビットコインを発明した謎の人物、サトシ・ナカモト氏は、利用者が毎日一定量の取引のブロックを発見、つまり「採掘」すると想定してこの数字にたどりついた。

ビットコインが発行される量は、4年ごとにその前の4年間に比べて半分になる。新しいブロックの発見者に対する報酬も同様に減る(現在の報酬は12.5ビットコイン)。このため、流通するビットコインの量は2100万に近づきはするが、決して到達しない。

このことは、ビットコインにはインフレが起きないことを意味する。米ドルの場合、Fed(連邦準備制度)がドル紙幣を増刷することによって購買力を希薄化できるが、ビットコインはシンプルで、将来入手できる量が増えることはない。この点について懐疑的な人は懸念する。ハッキングでビットコインの財布を消し去られ、しかも弁償される望みも小さいという悲劇を招く可能性があるからだ。

ビットコインの未来

歴史的にビットコインの相場変動は極めて大きい。しかし最近のブームや、Snapchatの初期投資家、ジェレミー・リウ(Jeremy Liew )氏が2030年に相場が50万ドルに達すると予想していることからすると、たとえわずかの量であってもビットコインの入手はとても心をそそられるものになっているようだ。

ビットコインの利用者は、2024年までにビットコイン全量のうち94%が発行されると予想している。発行量が2100万の上限に近づくにつれて、採掘者が新しいブロックを作ることによってこれまで得てきた利益がほとんどなくなってしまうのではないかと疑う人も多い。しかしビットコインの流通量が増えれば、取引手数料も上がることが期待され、その差が埋まる可能性がある。

[原文:Bitcoin is going wild — here's what the cryptocurrency is all about

(翻訳:編集部)

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