ジョン・マカフィー氏
John McAfee
ジョン・マカフィー氏(John McAfee)がトップを務めるMGTキャピタルは、ビットコインの競合仮想通貨、イーサリアム(Ethereum)のマイニング(採掘)を開始すると発表した。イーサリアムの価格は今年初めから現在までに、4000%近く上昇しており、利益を見込めると判断した。
株式を店頭公開しているMGTは投資家に対し、自社をサイバーセキュリティー企業だと説明している。マカフィー氏が創業したマカフィー・アソシエイツ社(McAfee Associates)もアンチウイルスソフトを開発するサイバーセキュリティー会社だ。
マカフィー氏が仮想通貨について頻繁に言及するようになったのは最近のことだ。先月、ビットコインへ投資したおかげで、年末にはMGTを黒字化できると述べた。イーサリアムはビットコイン同様、コンピューターで複雑な計算を実行し「マイニング(採掘)」できる。MGTは6月23日(現地時間)、グラフィックプロセッサを搭載したマイニング用コンピューターを60台購入することで、Bit5ive社と合意したと発表した。
イーサリアムは今年に入ってから現在までに3964%上昇、MGTの株価も過去1年間で42%上がっている。
「我々は、仮想通貨の今後の成長と価値を確信しており、ブロックチェーン関連の処理技術を提供するリーディングカンパニーとして独自のポジションを確立していく」とマカフィー氏は文書で述べた。
仮想通貨の価格が大幅に高騰し、関係者が警戒しているところに、マカフィー氏は仮想通貨業界への参入を決めた。
大富豪マーク・キューバン(Mark Cuban)氏は6月上旬、ビットコインがバブルである根拠をツイートしている。「いかに簡単に稼げるかをみんなが自慢していたら、それはバブルを意味している」
その数日後、ゴールドマン・サックスはビットコインの上値が「重く」なっており、1ビットコインあたり2330ドル(約26万円)から1915ドル(約21万円)の間にまで下落する可能性があると警告した。ビットコインマイニングを行うBitmain社が、ハードフォーク(新旧の互換性がないアップグレード)が起こった場合の「不測の事態」への対応策の概要を発表し、ビットコインのスケーラビリティ論争が再び焦点となった翌日には、2076ドル(約23万円)まで下落した。価格はその後回復し、23日時点では2708ドル(約30万円)で取引されている。
(翻訳:Satoru Sasozaki)