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クレディS元トレーダー75億円調達-レボルートで仮想通貨参入へ

更新日時
  • インデックス・ベンチャーズやボルダートンが資金募集に応じた
  • 仮想通貨の保有と交換、支払い、送金が無料で行えるサービス開始へ

スイス銀行2位クレディ・スイス・グループの元トレーダー、ニコライ・ストロンスキー氏は、ロンドンで2年前に設立した新興のフィンテック企業「レボルート」の米国とアジアでの業務拡大と、仮想通貨トレーディングのサービス開始に必要な資金を賄うため、インデックス・ベンチャーズなどの投資家から6600万ドル(約75億円)を調達する。

  12日の発表によれば、ボルダートン・キャピタルとリビット・キャピタルも今回の募集に応じた。ストロンスキー氏は、アジアと北米での事業拡大と仮想通貨業務の展開を賄う資金に充てる。英国のクラウドファンディング・プラットフォーム「Seedrs(シードル)」でも500万ドルを今月集める計画だ。

  ロシア出身のストロンスキー氏(32)は、ドイツ銀行の元技術開発者ウラド・ヤツェンコ氏と共にレボルートを創業。現金自動預払機(ATM)の引き出し手数料などが収入源となっているが、手数料を請求せず買い手と売り手の価格差で利益を得る手法を採用し、ビットコインやイーサリアムといった仮想通貨の保有と交換、支払い、送金が無料で行えるサービスを来週にも開始する予定だ。

  ストロンスキー氏はインタビューで、「仮想通貨の売買能力を得ることは、金融機関にとって大きな前進だ。新商品のパイプラインに加えたい有望なサービスを求めて、大手銀行はわれわれの行動を注視している。だが彼らの動きは非常に時間がかかる」と語った。

  米銀JPモルガン・チェースの元幹部のブライス・マスターズ氏や、英銀バークレイズの最高経営責任者(CEO)を務めたアントニー・ジェンキンス氏といった元バンカーらは、かつての雇い主が優位を誇る金融業界で、顧客獲得のためにフィンテックの新たなテクノロジーを活用しており、ストロンスキー氏もその1人だ。同氏によれば、レボルートはロンドンとモスクワ、ポーランドのクラクフで合計140人の社員を雇用しているが、さらにニューヨークとシンガポールにオフィスを開設し、20人程度のスタッフを増員する計画だ。

原題:Ex-Credit Suisse Trader Raises $66 Million for Bitcoin Push (1)(抜粋)

(レボルートの会社概要などを追加して更新します.)
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