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ジャンボジェット丸ごと1台使ってグラフィックボードを輸送し仮想通貨マイニングをする猛者が登場

By Jez

「今からヘリで長野にソバを食べに行ってきます」と同じノリで、流通量が多く、価格が乱高下しまくっている仮想通貨の代表格「イーサリアム」のマイニングに使うグラフィックボードをいち早く輸送するため、ボーイング747「ジャンボ」ジェット機をチャーターしてしまうという事態が起こっています。

Cryptocurrency miners are renting Boeing 747s to ship graphics cards | PC Gamer
http://www.pcgamer.com/cryptocurrency-miners-are-renting-boeing-747s-to-ship-graphics-cards/

現代のゴールドラッシュと捉えられる仮想通貨はまさに「バブル」とも呼ぶべき様相を呈しており、2017年初頭の取引価格が1000円前後だったイーサリアムは2017年6月中旬には約40倍の約4万4000円のピークに達し、記事作成時点でも約2万1000円という価格で取引されています。


「マイニング」と呼ばれる仕組みが備わっている仮想通貨の場合、コンピューターを使って膨大な処理を行う実績によって仮想通貨をゲットする(=発掘する)ことができます。イーサリアムの場合だと、記事作成時点で1日あたりおよそ3万6000イーサのイーサリアムが発掘されているのですが、これに取引額をかけると1日あたり実に7億5600万円に相当する通貨が生みだされていることになります。

この巨額が眠る金鉱で1イーサ(イーサリアムの取引単位)でも多く発掘しようとするのが、「マイナー」と呼ばれる人や企業です。いまやマイニングの世界は素人が気軽な気持ちで太刀打ちできるレベルではなく、電気代の安い中国でビルを一棟丸ごと借り上げ、内部に膨大な数のコンピューターを押し込んでひたすら処理させる、という手法が採られます。この時、処理に用いられるのは膨大な処理を効率的に行うことが可能なGPUを搭載したグラフィックボードなのですが、マイナーがあまりに多くのグラフィックボードを買い占めるため、世界的に供給が追いついていない状況にもなっています。

そんな状況のため、マイナーの間でもグラフィックボードの取り合いが起こり、さらには入手したボードをいち早く受け取り、稼働させてイーサを生みださせるための試行錯誤が行われています。そんな中、登場したのがジャンボ機を借り上げて自分たちが購入したグラフィックボードだけを運ぶ、という驚きの試みというわけです。マイニングをおこなう企業「Genesis Mining」のMarco Streng氏は「時間は極めて重要です。例えば、我々はボーイング747型機を借り上げることで求められる時間どおりに輸送を行います。この他の海上輸送などの手段は遅すぎるため機会損失を発生させてしまいます」と語っています。

By wilco737

この「機会損失」という言葉はまさにそのとおりで、もし処理を行うためのグラフィックボードが手元になかったら、本当ならば得られていたはずのイーサが他人の手に移る、もしくは発掘されずに残ってしまうことになりかねません。Streng氏は「我々は、可能な限り速い輸送手段を使います。もし投入が10日遅れるとすると、それはマイニング10日分の遅れとなり、すなわち損失となります」と語ります。

このような状況に対し、グラフィックボード大手でマイニングバブルの恩恵を受けていると言われるAMDのリサ・T・スCEOは、一歩引いた冷静な見方を示しているとのこと。投資家向け会議でス氏は「仮想通貨に関連して我々は需要の上昇を見ていますが、弊社では仮想通貨を今後の戦略には含めておらず、長期的な成長の原動力とは捉えていないということを述べておきたいと思います。しかし、仮想通貨で用いられるブロックチェーン技術の進化には注目していくつもりです」と語っています。

By AMD Global

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in メモ,   ソフトウェア,   ハードウェア,   乗り物, Posted by darkhorse_log

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