主に、ビットコインには資産と通貨としての2つの側面があり、常に最良のユースケースに関しては議論が続いている。
一方では、ビットコインは価値の保存の手段として最大限の力を発揮すると言う人もいれば、他方でビットコインの持つその流動性から通貨としての利用こそ相応しいと語る人もいる。
ビットコインにおける価値の保存という側面はある程度の間隔で証明されてはいたものの、今では投資家やヘッジファンドマネージャーなどがビットコインを新たな投資手段として着目しだし、利用し始めている。ビットコイン価格が高騰したことで、辛抱強くホールドしていた人たちの中から所謂クリプト・ミリオネアたちが多く世に生まれ出ている。
一方、ビットコインの通貨としての側面は、まだ発展途上で、始まったばかりだといえる。とはいえ、直接決済ではなくデジタルウォレットに紐づけられたデビットカードサービスなども盛んに利用されつつあり、間接的な決済方法が新たなオプションとして人気を博しつつある。
しかしながら、本来的に考えれば、ビットコインには仲介人は必要ないはずである。最近では、ビットコインの人気がさらに盛り上がるにつれ、仮想経済によって、ビットコインの流動性を高めるいくつかの素晴らしいシステムが生み出されつつある。

現実における新たなビットコインの利用方法

金融機関は、リアルタイムに次々と新たなビットコインのユースケースを作り出している。こうしたシステムがビットコインのエコシステムに流動性を生み出し、全体の安定性を作り出している。残されている課題は多いが、ビットコインの価格上昇により流動性が高まることによって、現実世界に新たなユースケースが今後ますますもたらされることだろう。
例えば、MyBitの場合、企業向けに太陽光パネルのようなプールされた大型投資サービスを提供しているなど、ビットコインを利用した投資対象が、単なるデジタルウォレットから第三者向けではなく直接ビットとコインの流動性を高めるような機能的な目的にシフトし始めている。
音楽業界もまた、活発な動きを見せている。OPUS財団は、制作した作品を分散化し、コンテンツから得た利益の97%を直接アーティストに還元することを可能にしたプラットフォームを提供している。利用者はビットコインで決済し直接音楽へアクセスすることができ、Appleのような中央集権的なコンセプトとはまた違った趣がある。同時に、ビットコインを利用するために直接的なソースを提供することでも流動性は高まることだろう。
ビットコインによる直接決済というオプションも盛んに利用されつつある。BitPayは、ボラティリティを気にすることなく、小売店舗がビットコイン決済を利用し、直接銀行口座で売り上げを受け取ることが出来るようなプラットフォームを提供している。CoinbaseやStripeも似たようなプラットフォームを提供している