衝撃事件の核心

マルチまがいも横行する中、ビットコイン・セミナーが犯人と被害女性を結びつけた…強殺事件の意外な接点

インターネット上の仮想通貨、ビットコインが関係した強盗殺人事件が起きた。名古屋市のパート従業員、野田みゆきさん(53)を殺害して現金などを奪い、遺体を山林に遺棄したとして、愛知、滋賀両県警は8月、強盗殺人と死体遺棄の疑いで岐阜県大垣市の土木作業員、西田市也容疑者(21)と共犯の滋賀県愛荘町のアルバイト少年(18)を逮捕した。親子ほど離れた野田さんと西田容疑者を結びつけたのはビットコインの取引セミナーで、ビットコインの投資ビジネスを手がける野田さんの資産に目をつけた犯行とみられる。市場が急拡大している仮想通貨の世界だが、マルチ商法まがいのネットワークビジネスに使われるなどしてトラブルも頻発している。事件の背景となった仮想通貨ビジネスの実態を探った。

取引セミナーが接点

事件は、野田さんが6月18日に愛知県春日井市で開かれた化粧品などの販売セミナーに参加した後、行方不明になったのが発端。愛知、滋賀両県警はその日夕に野田さんが西田容疑者らと大垣市のJR大垣駅で待ち合わせ、西田容疑者の車に乗ったことを突き止め、2人を追及。西田容疑者の供述にもとづき野田さんの遺体を滋賀県多賀町の山林で発見し、8月1日に死体遺棄容疑で2人を逮捕。8月20日には、野田さんのスマートフォンや所持金を奪ったとして強盗殺人容疑で再逮捕した。2人は遺棄現場近くの山林で野田さんの首を絞めるなどして殺害した疑い。

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