中国の仮想通貨取引所、9月末までに閉鎖
【上海=張勇祥】中国の仮想通貨取引所が9月末までに閉鎖する見通しだ。大手の一角「BTCチャイナ」が14日付で口座開設の受け付けを終了、月末であらゆる取引を停止すると発表した。メディアの第一財経(電子版)は同日、上海市の金融当局が複数の取引所に9月末までの閉鎖を通知したと報じた。報道を受けビットコイン価格は急落している。
ビットコインの価格は取引所によって差が大きいが、BTCチャイナは一時1万7千元を割り込み、取引停止の発表前に比べ3割超下落。他の大手取引所である「OKコイン」「火幣」でも2万元前後まで下げている。
共産党首脳の人事を決める党大会を10月に控え、中国は金融市場の安定を重視すると繰り返し強調している。
にもかかわらず取引所閉鎖に動き出すのは、仮想通貨を通じ中国国内の資金が対外流出しているとの見方があり、その防止を優先したためとみられている。資金流出が続けば人民元安を誘導し、金融システムを不安定にする恐れがあるためだ。
13日には中国インターネット金融協会が「仮想通貨は資金洗浄や違法な資金集めの温床になっている」とも非難した。
中国は4日、企業がトークンと呼ぶ代用コインを発行し資金を集めるICO(イニシャル・コイン・オファリング)を禁止すると発表していた。前週末には当局が取引所を閉鎖する方針を固めたとの報道も伝わり、今後、上海以外にも閉鎖の動きは広がる見通しだ。
OKコインやBTCチャイナなどは当局の決定に従うと表明し、「相対取引が可能であれば、情報提供などを手掛けていきたい」という。ただ、取引所の閉鎖前に換金しようとする売りが膨らみ、ビットコインキャッシュなど他の仮想通貨も大幅に下落している。