ビットコイン「結論は出ていない」、ゴールドマンCEO
JPモルガンとは温度差 インフラか、金融商品か
【ニューヨーク=山下晃】「ビットコインについてはまだ結論が出ていない」。米金融大手ゴールドマン・サックスのロイド・ブランクファイン最高経営責任者(CEO)は3日、自身のツイッターでビットコインについて発言した。「紙幣が金に取って代わった時も人々は懐疑的だったことも気に留めておくべきだ」と、仮想通貨に好意的な見方に含みを持たせた。
ゴールドマンは、株式や原油先物などと同様にビットコインを金融商品とみなして売買仲介業務に本格的に乗り出すか検討を始めている。ブランクファイン氏はビットコインについて「まだ是認も否定もしない」と述べるにとどめた。
ビットコインを巡っては、米金融大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOが先月、「詐欺だ」と否定的な見解を示して話題となった。JPモルガンとゴールドマンでは金融市場における仮想通貨のとらえ方がやや異なっているとみられる。
JPモルガンは商業銀行が主体。ダイモン氏は金融を一つのインフラとして捉えており、政府の管理下にないビットコインは主流にはならないとみている。
一方、ゴールドマンはビットコインを金融商品の一種とみなしている。金融調査・分析を手がけるオートノマス・ネクストによると、すでに70を超えるヘッジファンドが仮想通貨に投資している。投資家を顧客に持つゴールドマンとしては無視できない状況だ。
ビットコインを巡っては、米シカゴ・オプション取引所を運営するCBOEホールディングスが年内にもビットコイン先物の上場を目指すほか、運用会社大手フィデリティ・インベストメンツも顧客の投資家がポートフォリオの一部として仮想通貨の持ち高と時価をチェックできる仕組みを整える。こうした取り組みはすべて投資家の需要に応える動きだ。
JPモルガンのダイモン氏はビットコイン価格を「バブル」とも指摘する。広く人々が利用するようにはならないとみている同氏は、今の価格が高すぎる指摘する。
著名エコノミストのモハメド・エラリアン氏も同様に「今の価格は普及を前提にしている。それほどの広がりを政府は許容しないだろう」とみており、「強いて言うと半分か3分の1程度の価値しかない」と割高な状況に言及している。