英金融当局、ICO規制の是非検討へ 「より深く調査」
【ロンドン=篠崎健太】英金融規制当局の金融行為監督機構(FCA)は15日、仮想通貨技術を使った資金調達(ICO=イニシャル・コイン・オファリング)について「急速に発展する市場の情報を集め、より深く調査する」と表明した。「規制的な取り組みが必要か決める材料になるだろう」とし、英国での規制の是非を今後検討していく考えを示した。
ICOは「トークン」と呼ぶ独自のデジタル権利証を発行し、事業に必要なお金を集める仕組みだ。FCAは9月、投資家に対し「極めて高リスクで投機的な投資だ」と注意を促す文書を公表。規制の対象になるかは場合によるとし、投資家保護を受けられない可能性や、詐欺の危険などに警鐘を鳴らしていた。
今回の方針は、分散型台帳技術について寄せられた意見への回答として公表した。仮想通貨などの根幹を担う同技術について「関連市場の発展を監視していく」と説明した。金融やビジネスに革新をもたらす有望分野として注目しつつ、健全な発展を支える規制のあり方を探ろうとしている。
ICOは新たな資金調達の手段として、2017年に入って急速に利用が広がった。世界のデータを集約するコインスケジュールによると、年初から足元までに234件が実施され、調達総額は約37億ドル(約4100億円)にのぼる。