仮想通貨「悪用防止へルール必要」欧州副委員長
【ロンドン=篠崎健太】欧州連合(EU)のドムブロフスキス欧州副委員長(金融安定・金融サービス担当)は23日、EU財務相理事会後の記者会見で、仮想通貨について「不法行為の手段にさせないように用心が必要だ」と述べた。マネーロンダリング(資金洗浄)などへの悪用防止や投資家保護に向けて、欧州としてルール作りを進める必要があるとの認識を示した。
ドムブロフスキス氏は「欧州はブロックチェーンの活用機会を受け入れてほしい」と、仮想通貨を支える分散型台帳技術への期待を語った。一方、犯罪やテロなどへの悪用を防ぐことが必要だと強調。各国当局が仮想通貨の匿名性に対処し、監視するための枠組みが必要だと述べた。
ビットコインなどの仮想通貨をめぐる規制強化の動きは、欧州でも広がってきた。ドイツとフランスは、3月の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に規制案を出す方向だ。EUの欧州委員会は、今春をめどに「フィンテック・アクション・プラン」を公表予定。仮想通貨に対する立場も示すとみられる。
仮想通貨とは紙幣や硬貨といった実物がなく、インターネット上でやり取りするお金を指す。専門の取引所を通じてドルや円などの通貨と交換できる。代表的な仮想通貨としてビットコインがある