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Photographer: SeongJoon Cho/Bloomberg
QuickTake

ビットコイン大好きの韓国が占う仮想通貨の未来-当局と投資家の攻防

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韓国人は仮想通貨が大好きだ。同国の議員や当局者らはそうでもない。首相以下当局者らはビットコインや仮想通貨を巡る熱狂の危険性を指摘している。韓国ではビットコイン人気があまりに高いため、1月には価格が米国での1.5倍になる場面まであった。このプレミアムはその後解消されたが、こういうわけで韓国での当局と投資家の攻防に世界が注目している。

仮想通貨取引センターとしての重要性
主要な仮想通貨の取引に使われる通貨として、1月11日時点で韓国ウォンは米ドルに次ぐ2位だった。2017年下期の大半で、ウォンはビットコイン取引の10%余りを占めた。イーサリアムの取引では昨年終盤までトップだった。ただ、当局の姿勢強化で最近はウォンの役割が低下している。

韓国政府の措置
政府は昨年9月に新規仮想通貨公開(ICO)を禁止しした後、国内の仮想通貨取引所の監視強化から閉鎖までさまざまな措置を検討していることを明らかにした。包括的な措置については作業中だが、マネーロンダリング(資金洗浄)など違法行為を阻止する対策は取った。1月30日をもって銀行での匿名の仮想口座を禁止し、仮想通貨取引所からの1日1000万ウォン(100万円)を超える引き出しも含め疑惑のあるトレーダーについての報告も銀行に義務付けた。未成年、外国人、金融機関による国内取引所での売買も禁止した。

仮想通貨市場の反応
投資家にとって最も大きな不安は韓国の仮想通貨取引所閉鎖だ。そうなれば韓国国民が仮想通貨を購入することが難しくなり、重要な需要源が抑制される。韓国の司法相が取引所閉鎖の案にあらためて言及した1月11日にはビットコインが一時12%安となった。最終決定ではないとの大統領府報道官の発言で幾分回復した。

韓国当局の懸念
主としてマネーロンダリングと脱税、投機の行き過ぎが懸念だ。李洛淵首相は若者の「堕落」も心配している。

制限を回避する方法
議会が取引所閉鎖を決めたとしても、韓国のトレーダーは恐らく、仮想通貨を買う方法を見付けるだろうと東京を拠点とする取引所、クウォインの責任者、マイク・カヤモリ氏が述べた。同取引所は韓国の顧客も利用しているという。

次の攻防
仮想通貨取引所を閉鎖する韓国司法省の提案が他の省庁や議会の支持を得るかどうかは分からない。この措置に反対する嘆願は20万人以上の署名を集めた。政府政策調整担当省は取引所禁止法案について、省庁間の「十分な協議と意見調整後」に決定するとしている。

原題:Why the Cryptocurrency World Is Watching South Korea: QuickTake(抜粋)

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