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Photographer: Krisztian Bocsi/Bloomberg
Crypto

ECBも仮想通貨リスクを自覚か-メルシュ理事が取引報告義務に言及

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  • 「プラットフォームへの標準化された報告義務付けが一つの責任」
  • 3月のG20財務相・中銀総裁会議でも主要議題となる見通し

欧州中央銀行(ECB)は、政策担当者の本来の重要業務である「経済運営」に仮想通貨が及ぼしかねないリスクに気付いたようだ。

  ECBのメルシュ理事はフランクフルトでのインタビューで、「バーチャル世界と現実世界とのつながりが増し、その後バーチャル世界で暴落が発生すれば、現実世界の流動性をひっ迫させることもあり得る。これは中央銀行にとって懸念要因となる」と発言した。

  金融政策担当者らは最近まで、仮想通貨を投機の新たな手段として片付けていた。しかし、昨年末にかけて投資家が殺到したビットコインや他の仮想通貨は、わずか3カ月で6840億ドル(約74兆9000億円)余りの含み益を生み、その後今年に入り価格が急落。こうした事態を受けて、当局者は考えを変え、新たな資産クラスを規制する方法を探り始めた。

  メルシュ理事は「われわれにはもっと情報が必要だ。私にとっては、われわれの情報へのアクセスを確保し、より良い対応を行うため、規制されていないプラットフォームに標準化された取引報告を義務付けることが、既に一つの責任になるだろう」と語った。
 
  世界の主要国はドイツとフランスを中心に仮想通貨の規制推進に動いており、ECBのクーレ理事は先月、3月にアルゼンチンで開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で主要議題として取り上げられるとの見通しを示した。

原題:ECB Wakes Up to Bitcoin as Virtual World Seen Touching Reality(抜粋)

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