サイバービル始動 警視庁、部署集約「総力挙げ結果」

 警視庁サイバーセキュリティ対策本部は2日、文京区内でサイバー犯罪などに対処する部署を集約した新庁舎(通称・サイバービル)の開所式を行った。これまで公安部や刑事部、生活安全部など6部署に分散していた捜査員ら約500人を集めた拠点とし、部門横断的にサイバー捜査や解析を行うのが狙い。

 吉田尚正警視総監は、昨年流行した身代金要求型ウイルス「ランサムウエア」による被害や、今年1月に発生したコインチェック社の仮想通貨流出事件を念頭に「サイバー空間の脅威は深刻化している。東京五輪を見据え、総力を挙げて結果を出す」と訓示した。

 警視庁は1日のサイバービルの運用開始にあわせ、ウイルス感染など同時多発事案の初動捜査を行う「CAT」▽専門知識を有するサイバー犯罪捜査官が重要事件の捜査に当たる「C-SAT」▽通信記録などの証拠品を解析する「DFT」-の3チームを新たに編成。C-SATの平川敏久チームリーダーは「われわれはサイバーに関する最高の知見を誇るチーム。都民・国民の安全安心なサイバー空間を実現する」と意気込みを述べた。

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