アラブ首長国連邦(UAE)の副大統領兼首相で、ドバイの首長も兼任するシェイク・ムハンマド・ビン・ラーシド首長は、「UAEブロックチェーン戦略2021」を発表した。ブロックチェーン技術の導入で世界をリードする目標を明らかにした。ドバイ・メディア・オフィスが11日に伝えた

 同首長は、政府がブロックチェーン技術を導入すれば、将来の課題に備えることができ、通知文書に費やしている年間110億ディルハム(約3221億円)の支出を節約できると述べた。さらに、何百万時間もの労働時間、3億8900万通分の政府文書、16億キロメートルの配達距離を削減できるとしている。

「この技術の採用は、UAE市民の生活の質に反映され、市民の幸福度を高めることにつながる。21年までに、連邦レベルで政府取引の50%をブロックチェーン技術を用いて行う。この技術により時間、労力、資源を節約でき、個人が取引の大半をタイムリーに行えるようになる。これは仕事やライフスタイルに合った方法だ」

 ドバイの道路運輸局は2月、ブロックチェーン技術を用いた車両のライフサイクル管理システムを20年に開始する計画を発表した。工場からスクラップ場まで車両の履歴を追跡できるようにする。

 また先月には、ドバイ10Xイニシアチブの一環として、ブロックチェーン技術で動作する観光業に特化したマーケットプレイスを開発すると発表した。ブロックチェーンにより、観光企画に関わる全ての観光関連企業をマーケットプレイスでつなぎ、透明性が高くリアルタイムの価格情報やドバイの観光情報を顧客に提供する。