英ロンドンのモスク、仮想通貨による喜捨受け入れへ

英ロンドンのモスク、仮想通貨による喜捨受け入れへ
 5月28日、英国のロンドン東部にあるイスラム教のモスクが、ラマダン期間中にビットコインなどの仮想通貨によるザカート(喜捨)を受け付けることを決めた。2月3日撮影(2018年 ロイター/Dado Ruvic)
[ロンドン 28日 ロイター] - 英国のロンドン東部にあるイスラム教のモスクが、ラマダン期間中にビットコインなどの仮想通貨によるザカート(喜捨)を受け付けることを決めた。より多くの提供者から寄付金を募集するとともに、通貨間の両替手数料を削減するのが目的。
この措置を決定したのは、東ロンドンのドーストンにあるシャックルウェルレーン・モスク。技術面で支援したブロックチェーン関連のコンサルタント、Lukasz Musial氏は「仮想通貨の口座を既に持っている寄付提供者にとって、仮想通貨をポンドやドルに変換するのはかなり面倒だ。モスクは、この煩雑さを上手く取り除いた」との見方を提示。「寄付提供者はクリックするだけで募金口座に送金ができるし、モスクにとっては世界中から寄付を受けるための仕組みができた」と話した。
エジプトのメディアによると、同国のスンニ派イスラム教指導者のトップは今年、ビットコインがイスラム法に反しているとの見解を明らかにした。だが、シャックルウェルのイマーム(宗教指導者)、アブダラ・アデイエミ氏は同モスクの決定を擁護。「ビットコインは一部の集団から認められており、他通貨と同じだ。われわれは取引するのではなく、寄付金として受け取るだけだ」と述べた。
モスクは、今回の措置により寄付金が増えると見込む。今年は昨年の2倍となり、1万ポンド(約145万円)を超えると期待している。
イスラム教の教えでは財産の2.5%を困窮者に寄付する義務が定められており、ラマダン期間中に最も活発となる。

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