LINEが独自コイン 国内はポイント、海外は仮想通貨
LINEは2018年8月31日、独自コインを発行すると発表した。LINEが構築したブロックチェーン「LINK Chain」上で稼働するサービスのユーザーに配布し、他のサービスで使えるようにする。同社は他社のものを含めて、LINK Chain上に様々なサービスを集約。独自コインと組み合わせて、新たな経済圏を確立したい考えだ。
LINEのグループ会社であるシンガポールのLINE Tech Plusが日本向けと海外向けで、別々にコインを発行する。日本向けに発行する「LINK Point」はいわば「ポイント」である。「LINEポイント」に交換可能なコインで、仮想通貨には当たらない。
一方、海外向けに発行する「LINK」は仮想通貨となる見込みである。2018年9月、日米以外の利用者を対象にLINE Tech Plusが運営する仮想通貨取引所「BITBOX」にLINKを上場させる。
LINEは国内で仮想通貨交換業の登録手続きを進めているが、現時点で登録完了には至っていない。そのため、国内外で異なる性質のコインを発行したとみられる。
併せてLINEは、ブロックチェーン上で稼働する分散型アプリケーション「dApp(Decentralized Applications)」サービスが集まる場として「LINK エコシステム」をLINK Chain上に構築。2018年9月にも自社開発のdAppサービスを2つ投入する。その後、他社にも参画を促し、dAppサービスのラインアップを拡充するとみられる。
LINE Tech PlusはLINK エコシステムのサービスを使う利用者の活動に応じて、インセンティブとしてLINK PointとLINKを付与する。例えばソーシャルメディアサービスでコンテンツを作成したりレビューを書き込んだりすると付与される。獲得したLINK Pointなどは、他のdAppサービスで使える。
LINK PointとLINKは、合計で10億個発行する予定。うち8億個をLINK エコシステムに参加するサービスを通じて分配する。残りの2億個は、LINE Tech Plusが管理するという。
昨今、独自トークンを発行・流通させて経済圏を構築する「トークンエコノミー」が注目を集めている。LINEは今回の取り組みを皮切りに、トークンエコノミーを拡充させていくとする。
(日経 xTECH/日経FinTech 岡部一詩)
[日経 xTECH 2018年8月31日掲載]