【金融庁】平成29事務年度 金融行政方針策定 ― 仮想通貨については実態把握・業者検証など
金融庁は、金融行政が何を目指すかを明確にするとともに、その実現に向け、平成29事務年度においていかなる方針で金融行政を行っていくかを「金融行政方針」として策定し、11/10付で掲載。
- 平成29事務年度金融行政方針の主なポイント(PDF)
- 平成29事務年度金融行政方針(PDF)
- 平成29事務年度金融行政方針 概要(PDF)
「平成29事務年度金融行政方針の主なポイント」のP12に『仮想通貨』についての方針が掲載。
●仮想通貨市場では、仮想通貨の分岐、価格の乱高下等の変化
●イノベーション促進と利用者保護等のバランスに留意しつつ、
交換業者における業務運営体制の整備状況等を検証(システムリスク管理等)
●仮想通貨市場の動向の実態把握
●ICO(Initial Coin Offering) に関する実態把握及び利用者保護の観点からの注意喚起等
また「平成29事務年度金融行政方針」のP33に詳細が記載。
(6) 仮想通貨
仮想通貨は、ブロックチェーン技術など従来見られなかった IT 関連技術が活用されており、仮想通貨交換業者においては、利用者保護等を図る上で、システム面を中心に高度な業務管理が求められている。また、2017年初以来の仮想通貨価格の乱高下や仮想通貨の分岐など、仮想通貨市場では様々な動きが見られており、仮想通貨を取り巻く環境が利用者に与える影響等を把握することが重要である。
こうした点を踏まえ、イノベーション促進と利用者保護等のバランスに留意しつつ、仮想通貨市場の動向等を注視するとともに、仮想通貨交換業者において適切な業務運営体制が整備されているかモニタリングしていく必要がある。
具体的には、仮想通貨交換業者において、仮想通貨を取り巻く環境の変化に応じて利用者に対する適切な説明・情報提供など、利用者保護を図るための態勢が整備されているか検証する。
また、安全かつ安定的なシステム運営や不正防止を通じた利用者からの信頼性確保の観点から、適切なリスク把握に基づいたシステムリスク管理態勢が整備されているか、マネー・ローンダリングなどの不正行為を防止するための実効的な対策を検討・実施しているか検証する。
このほか、最近では、仮想通貨を利用した資金調達であるICO(Initial Coin Offering)が増加しているところ、ICOで発行される一定のトークンは資金決済法上の仮想通貨などに該当すると考えられ、その実態を十分に把握していく。また、詐欺的なICOに対しては、関係省庁と連携して対応していくとともに、業界による自主的な対応の促進や利用者及び事業者に対するICOのリスクに係る注意喚起等を通じて、利用者保護を図っていく。