大石哲之:2月25日週の仮想通貨市場振り返り
以下は、フィスコ客員アナリストの大石哲之(「ビットコイン研究所)」代表、ツイッター@bigstonebtc)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
2月25日週のビットコイン(BTC)は40.8~42.9万円で推移した。28日は早朝に40.8万円まで急落したものの下落前と同水準まで戻りをみせた。海外取引所ビットメックスで、イーサリアム(ETH)に仕掛け的な売りがみられ、これに追随する格好で下落したもよう。国内大手取引所ビットフライヤーのビットコインFXは影響が大きく、40万円を大きく割り込み38万円台まで下落していた。
先週は、イーサリアム(ETH)のハードフォーク(更新の前後にブロックの互換性がなくなる)によるアップデートが行われた。ハードフォークによる新規コインの発生などは観測されておらず、アップデートは無事に完了した形だ。何度かの延期や議論の末に行われたアップデートだっただけに、無事に成功したのは喜ばしく、今回の機能強化やスケーラビリティ改善の効果が徐々にでてくることを期待したい。
さて、先週はイオス(EOS)について注目の事件があった。あるバリデータが、ブラックリストになっており本来は移動できないはずのコインの移動を承認し、他のバリデータもそれを見逃した。それにより約7百万ドル相当のEOSが不正に盗まれたというものだ。EOSのブラックリスト機能の実装が甘かったという欠陥があるにしろ、根本的なコンセンサス部分の欠陥でコインが盗めてしまったという点では汚点になる。
今後少数のバリデータによるPBFT(投票によるコンセンサス)がパブリックで機能するのかどうか、引き続き注目していきたい。
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※2019年3月4日に執筆
執筆者名:大石哲之
ブログ名:ビットコイン研究所