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大石哲之:4月22日週の仮想通貨市場振り返り

以下は、フィスコ客員アナリストの大石哲之(「ビットコイン研究所)」代表、ツイッター@bigstonebtc)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

 月22日週のビットコイン(BTC)は急落。26日早朝に仮想通貨Tether(USDT)の裏付け金不正利用が報じられると560,010円まで下落した。午後1時時点では591,952円まで回復しているが、23日に一時価格が63万円台に上昇した後は60万円で推移していたことを考えると、この水準まで戻ることが出来るかが注目される。

仮想通貨取引所Bitfinexが自身の損失を穴埋めするために、仮想通貨Tether(USDT)の準備金に手を付けたというニュースが出まわり、市場は暴落している。NY州の司法当局による公表であるため、フェイクである可能性は少ないだろう。

ことの発端は、2018年に、Bitfinexが(取引所)顧客への出金のために850百万ドルをパナマの決済業者に手渡したこと。この業者がどういう理由か不明だが債務不履行となり、Bitfinexに巨額の損失が発生する。これを穴埋めするために、Tetherの準備金から資金を借用したというわけだ。

Tether社は、つい先日規約の変更をおこなっている。準備金はドル預金だけでなく、証券や短期の貸付も含まれるとしたもの。これは、明らかに本件のための工作だったと言える。

本件の市場への影響だが、2つあると言える。一つは、本格的なTetherの終焉であること。Tetherの発行高は2800百万ドルだが、そのうちの850百万ドルが流用されているとすると、コインの価値はほぼゼロである。

早かれ遅かれTetherは退場を迫られるだろう。また、Bitfinex社に返済能力がないとわかっていて貸し付ける行為は背任であり、刑事事件にも発展するのではないか。

一方ステーブルコイン同士の競争が発展し、長期で見れば健全化への一歩となる可能性が高い。すでに競合のUSDCとTUSDの発行高が合計460百万ドルになっており、いずれこうしたコインがTetherを置き換えるだろう。

本記事執筆中にも市場は戻してきており、すでに消化を始めているのではないか。当事者以外への影響は軽便であると考える。仮にもTetherを売って、(安全な)ビットコインに変える動きがあれば、むしろビットコインの価格を大きく押し上げるはずだ。

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※2019年4月26日に執筆
執筆者名:大石哲之
ブログ名:ビットコイン研究所


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