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大石哲之:ビットコイン最新の見通し(3月17日)

以下は、フィスコ客員アナリストの大石哲之(「ビットコイン研究所)」代表、ツイッター@bigstonebtc)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

ビットコインを貸付に回すことにより、利子のようなものを手にすることができるサービスがある。株でいうと貸株のようなものである。

日本の低利率から考えると、そのような貸しコインから得られる収益は魅力的ではあるが、注意しなければいけないのが、取引所の停止・倒産リスク(GOXリスク)である。
コインチェックのような事故が起こると、貸し付けていたコインが回収できなくなるリスクが存在する。

このリスクと、利率を天秤にかけて投資の判断をしなくてはいけない。
なぜこの話をしたかというと、仮想通貨市場がなぜこれほど歪んでいるのかというのが、この話と関連性があるからだ。

仮想通貨はアービトラージ天国だといわれる。取引所毎に価格が違っており、そのあいだの鞘を取るのがアービトラージであるが、株式や為替であれば、このような鞘は一瞬で解消されてしまう。仮想通貨の場合、0.5-1%程度の鞘の開きはよくみられるし、海外との間では時に10%ちかい鞘が生じることもある。

この原因であるが、もちろん流動性の不足という問題もあるが、アービトラージ取引への参加者がすくないことになる。

現在仮想通貨のアービトラージは月間で十数%の利益がでるとされ、非常に「おいしい」取引であることはわかっているが、なぜかこの取引に投資家は殺到していない。

その理由が、実は、取引所のGOXリスクであることは、あまり知られていないだろう。アービトラージは常時取引所に資金を置いておく必要があるため、GOXリスクを常に背負うことになる。つまりGOXリスクの分を取引の利益から差し引いて考えなくてはいけない。すくなくともプロの投資家はそう計算している。

取引所のコインが完全に倒産隔離され、安全に扱えるようになると、アービトラージの参加者が増え、本当にリスクフリーのアービトラージがおき、取引所間の価格差は極めて小さくなるだろう。同時に流動性も高まるはずだ。

※2018年3月17日に執筆
執筆者名:大石哲之
ブログ名:ビットコイン研究所


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