対話アプリ大手のテレグラムがICO（仮想通貨技術を利用した資金調達）によって、合計17億ドル（約1,810億円）を調達したことが明らかになった。ICOによる資金調達としては世界最大規模となる。

同社が米証券取引委員会（SEC）に提出した報告書類によると、ICO第一弾として2月に私募で8.5億ドル（約904億円）を調達した後、第二弾として3月に公募で94の投資家から8.5億ドル（約904億円）を調達したという。また、追加でICOの実施を検討しているようだ。

同書類によると、ICOによって調達した資金は、独自のブロックチェーンによるプラットフォーム「テレグラム・オープン・ネットワーク（TON）」の開発に充てられる。TONは、仮想通貨「グラム（GRAM）」と呼ばれる新しいトークンによって購入可能な一連のサービスで、分散型のオンライン・コミュニケーションのほか、送金サービスも提供予定だという。調達した資金の一部は、既存の対話アプリの開発とメンテナンスに利用される。

テレグラム創設者の一人、パベル・ドゥーロフ氏は3月22日に同社のブログで、直近1カ月のアクティブユーザーの数が2億人を上回ったことを発表した。テレグラムを国に例えると、人口規模で世界第6位になると伝えている。2億人のユーザーを取り込んだ、グラムを使った独自の経済圏の設立に引き続き注目したい。

《MT》