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最多数の支持を得ているSegwit2xの今後のスケジュール

ビットコインは30万円手前でのもみ合いが続いています。上値が重くなっていますが、底堅い値動きと見ることもできます。今回も、ビットコインアナリストである田代昌之氏より

  1. 【ファンダメンタルズ】スケーラビリティ問題を巡る技術動向に引き続き注目
  2. 【テクニカル】三角もち合い相場が継続
  3. 【ビットコイン入門】最多数の支持を得ているSegwit2xの今後のスケジュール

の3項目をお話いたします。

(1)【ファンダメンタルズ】スケーラビリティ問題を巡る技術動向に引き続き注目

先月に続き、ファンダメンタルズはビットコインの取引処理能力(スケーラビリティ)をめぐる技術解決策の動向に注目です。

これまでのメルマガでもお伝えしてきましたが、7月21日から8月1日にかけて、ビットコインの取引処理能力改善を主な目的とした仕様変更が複数適用される予定です。現在発表されているものでは、Segwit2x、UASF(User Activated Soft Fork、ユーザー主導のソフトフォーク)、UAHF(User Activated Hard Fork、ユーザー主導のハードフォーク)という異なる3案がそれぞれ別の団体から提案されており、動向によってはビットコインが複数の種類に分岐してしまうリスクが存在します。

具体的にはビットコイン/円相場の乱高下や、お手持ちのビットコインの取引・送受信がうまく完了しなくなるなどのリスクが考えられるため、この期間はニュースとともに取引所からの通知にご注意いただければと思います。対処法については(3)【ビットコイン入門】でもご説明します。

(2)【テクニカル】三角もち合い相場が継続

足元ビットコイン/円相場は28~29万円のレンジで推移しています。フィスコ<3807>傘下のフィスコ仮想通貨取引所でのBTC/JPYは、6月27日に26万2300円の安値をつけましたが、その後は値を戻しています。

引き続き5月高値と安値をそれぞれ起点とした三角もち合いを形成しており、上下どちらかに放れそうな状況にあります。フィスコ仮想通貨取引所(FCCE)の日足チャートを見ますと、5月の乱高下以降、出来高はじりじりと減少。様子見ムードが強まっており、次の相場展開のためエネルギーを蓄積している状況といえます。

どちらに放れるのかはまだわかりません。スケーラビリティ問題の進展次第でしょうが、大きく動く可能性がありますので、ポジションなどリスク管理は万全にしておいたほうがよさそうです。(3)の【ビットコイン入門】等で最新のニュースを確認しておきましょう。

(3)【ビットコイン入門】最多数の支持を得ているSegwit2xの今後のスケジュール

これまで、ビットコインの取引処理能力改善をめぐってSegwit2x、UASF、UAHFという仕様の異なる3案がそれぞれ別の団体から提案されており、支持者の数や適用されるタイミングなどの条件によってはビットコインが複数の種類に分裂する可能性があるとお伝えしました。今回は、ビットコインのコミュニティーから8割強と最多数の支持を得ているSegwit2xのスケジュールについてお伝えします。

Segwit2xは上の3案中最も早く適用されるよう予定が立てられています。Segwit2xは7月21日にソフトウェアをリリースし、早ければ7月26~27日頃にはBIP(Bitcoin Improvement Proposals=ビットコイン改善案)91という案が適用される予定です。これはUASFが設定する仕様変更日である8月1日に先んじようと予定された日程です。また、BIP91とUASFの提案するBIP148という提案とは、適用方法は異なりますがほぼ同内容の仕様変更であるため、UASFはSegwit2xが適用されれば適用する必要がなくなるという見方もあります。UASFがもし適用されなければ、これの対抗案であるUAHFも適用されません。

こうみると、現状Segwit2xが先行しているように見えますが、Segwit2xが本当にUASFに先んじて上のスケジュールで進むことが可能なのか疑問視する声があります。また、仮にSegwit2xが適用された場合、今度は約3か月後(11月頃)にビットコインのブロックサイズ(ビットコインの取引データを保存する単位)を1MBから2MBへと拡大するためのハードフォーク(他と互換性のない仕様変更)が組み込まれているため、この時に再度ビットコイン分裂の可能性が高まることになります。

差し当たって、現段階では依然として7月末~8月1日にかけてビットコインのネットワークが混乱する可能性は存在しています。繰り返しになりますが、7月下旬から8月1日にかけてもこのような関連ニュースの緊張度が高い場合は、ネットワークの混乱、不用な取引や送金などを避けて、ご自分のビットコインを推奨されるウォレット(Trezorやbreadwallet、Mycelium、Ledgerなど、分岐した場合にも対応すると公表しているウォレット)できちんと保管しておくことが推奨されます。

※取引所からビットコインを取り出して、ご自身でスマートフォン上で管理する方法については下記URLの資料をご参照ください。
http://corp.fcce.jp/pdf/how-to-use-wallet.pdf

今回の【ビットコイン入門】では、スケーラビリティをめぐる問題として、最多数の支持を得ているSegwit2xの今後のスケジュール動向に関してご説明しました。

なお、ビットコイン投資は利益が出るときもあれば、損失が発生することもあります。投資は自己責任でお願いします。

(フィスコ仮想通貨取引所: ビットコインアナリスト 田代昌之)


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