EU調査「中央銀行発行のデジタル通貨は仮想通貨の競争問題を改善か」
欧州議会の通貨・金融問題審会の求めた調査の中で、各国の中央銀行が発行するデジタル通貨は仮想通貨の「競争問題」を解決する可能性があると示された。
仮想通貨市場では一部の有名通貨に時価総額が集中している。2017時点では二大仮想通貨であるビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)が仮想通貨市場全体の時価総額のおよそ9割を占めており、直近においてもわずかな変化は見られるものの状況は大きく変わってはいない。
しかし、同調査では中央銀行がブロックチェーンを利用したデジタル通貨を発行することで新たな大手プレイヤーが参入すれば、既存の通貨の優位性を薄める可能性があるとしている。規制当局に認可されたデジタル通貨の到来が市場競争を再構築するかもしれないということだ。
仮想通貨という新たなプレイヤーにマネーの利便性向上や自由化を求める消費者にとって、仮想通貨の市場競争が活発になることは望ましいことと思われるが、中央銀行発行のデジタル通貨急増が与える影響についてはさらなる考察が待たれる。
《SI》