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ビットコイン価格は再び30万円台へ

週末のビットコインは荒い値動きを見せる場面もみられましたが、18日時点では30万円台を回復しています。今回はこのようななか、

  1. 【ファンダメンタルズ】ビットコイン相場、再び30万円台へ
  2. 【テクニカル】ドル建てBTCは一足先に5月高値を更新も下落
  3. 【ビットコイン入門】ビットコイン価格に影響する「スケーラビリティ問題」

という観点で解説させていただきます。今後のビットコイン投資の参考としていただければ幸いです。

(1)【ファンダメンタルズ】ビットコイン相場、再び30万円台へ

足元のビットコイン相場は5月末の急落前の水準まで回復し、6月18日時点で再び30万円台で取引されています。6月12日にはBTC/USDは一部取引所では一時3,000米ドルを超えて過去最高値を更新、フィスコ<3807>傘下のフィスコ仮想通貨取引所(FCCE)でのBTC/JPYは6月9日に30万円台を超えてからも価格上昇は続き、先週の半ばには31万~33万円のレンジで推移しています。

ビットコインだけではなくアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨の総称)の時価総額も急騰しており、ビットコインを除いた仮想通貨市場の時価総額は6月に入って約50%の上昇を見せています。多くのアルトコインはビットコイン建てで入手するのが最も便利といえるため、仮想通貨市場への資金流入増大に加えてアルトコインの買い需要増加もビットコインの価格上昇に影響していると見られています。

今後注目しておきたい動向としては、取引処理能力(スケーラビリティ)をめぐって出されているUASF(User-Activated Soft Fork:マイナー主導ではなくユーザー主導によるソフトフォークのアクティベート)やデジタル・カレンシー・グループ(DCG)による提案などの話題や、6月中の発令が噂される中国の仮想通貨取引所への規制関連の話題が挙げられます。ビットコインのスケーラビリティに関わる技術問題はビットコイン価格や今後のビットコインの取り扱いに直接的に影響するため、是非とも押さえておきたいポイントです。また、一時よりもシェアは減ったとされているものの、やはりビットコイン界のビッグプレイヤーである中国の規制動向は価格に影響する可能性があるため、注意しておきたいところです。

DCGの提案については先週簡単にご紹介したので、今週は(3)【ビットコイン入門】でUASFとはどのような提案かご説明したいと思います。

(2)【テクニカル】ドル建てBTCは一足先に5月高値を更新も下落

5月の乱高下後のビットコイン(BTC)は、下落幅に対する半値戻しの水準である27万円水準でもみあっていましたが、じりじりとした反発の結果、6月上旬に30万円台を回復。いったんは30万円に跳ね返される場面がありましたが、じりじりとした反発は継続し、12日日中取引において337,710円(円建ての価格は全てフィスコ仮想通貨取引所(FCCE))をつける場面がみられました。

一方、ドル建てBTCの価格を見ますと、12日時点のドル建てBTCの価格は2999ドルまで上昇しました(出所:ブルームバーグ)。実はドル建てBTCは既に5月高値2798ドルを上回り、史上最高値を更新していたのです。しかし、12日の高値2999ドルをピークに、15日には2076ドルまで下落しました。わずか4日間で30%の急落です。売り一巡後は2500ドル前後で推移していますが、円建てのBTCも12日の337,710円から、15日に250,400円まで下落しましたので、約25%の大幅安となりました。

大口投資家によるシステムトレードによって、見た目の需給よりも参加者は少なく、値が動きやすいとの指摘もあります。投資家の方々は急落に対するリスクコントロールが必要といえるでしょう。5月末の乱高下のようにまずは落ち着き処を探るのも手です。心理的な30万円が意識されるか見極めたいところです。

(3)【ビットコイン入門】UASF提案とは?8月1日前後はビットコインの送受信や保管方法に注意

UASF(User Activated Soft Fork、ユーザー主導のソフトフォーク)とは、早々に解決する必要があるビットコインのスケーラビリティ問題を解決するための提案のひとつです。先々週のメルマガで、「セグウィット」がこのスケーラビリティ問題の解決策として目下最有力視されている提案であるとご紹介していますが、UASFではこのセグウィット採用の意思表示の締め切り日を2017年8月1日と日にちを具体的に指定して、この日までに賛同の意思があるもの(具体的には取引所やウォレット、個人でビットコインのネットワークに参加する者など)だけで、半ば強硬的に採用してしまおうという案です。具体的にはBIP148(Bitcoin ImprovementProposals=ビットコイン改善案)という案の実行が提案されています。

なぜこのUASFがユーザー主導と呼ばれるかといえば、これまでの仕様変更提案は最終意思決定権がほぼマイナー(ビットコインをマイニングする主体)のみに帰結してしまっていたのに対して、UASFではその他の業界内のプレイヤーも仕様変更のプロセスに大きく影響力を持つことができるためです。また、この理由から、アメリカを中心に業界内の賛同者の声も多い状態といえます。

先週ご紹介したDCGとの相違点は、DCGがまだ進行スケジュールや仕様変更内容が明確でないのに対して、UASFは日時や内容をかなり明確に出していることと、DCGがマイナーの8割ほどの支持を得ているのに対して、UASFは開発者やウォレットなどを中心に支持を得ている状況などが挙げられます。

大きく注意しておきたいことは、もしこのUASF提案がこのまま進行すれば、8月1日以降にビットコイン内のブロックチェーンが2種類に分岐(ソフトフォーク)する可能性があることです。具体的にユーザーの皆さんに影響することとして、8月1日以降は、ご自身がこれまで持っていたビットコインを他の誰かに送信しても、当該ビットコインが送信の途中で失敗・喪失して見つからなくなってしまう、という事態がたびたび起こる可能性が出てきています。8月1日前後に51%以上のマイナーがこのUASF案に賛成すれば問題ないのですが、現状では51%以上が賛成するかどうか、どちらの可能性が高いかわかりません。このため、もしも8月1日前後になってもこのニュースに対して緊張感が高い状態が続いていた場合は、ご自分のビットコインを推奨されるウォレット(Trezorやbreadwallet、Mycelium、Ledgerなど、分岐した場合にも対応すると公表しているウォレット)できちんと保管しておき、不要な送金作業などを避けることが推奨されます。こちらの対応に関するアナウンスは、日時が近くなってきたら再度詳細をお送りさせていただきます。

ビットコイン投資は利益が出るときもあれば、損失が発生することもあります。投資は自己責任でお願いします。

(フィスコ仮想通貨取引所: ビットコインアナリスト 田代昌之)


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