過去最高値を更新したDASH [アルトコイン評価ニュース]
7月6日、DASH(ダッシュ)が107%上昇して過去最高値を更新。コインマーケットキャップ(Coin Market Cap)のDASH/USD相場は227.72米ドルを記録して仮想通貨ランキングは7位から5位に上昇し、時価総額は一時約16億8700万米ドルとなった。売買代金(流動性)をベースに相対的な比較からアルトコイン時価総額上位100のフェアバリューを算出してみたところ、7月6日時点ではDASHが最も割安な仮想通貨となった。
DASHの価格高騰の背景には、日本だけでなくアジアにおける仮想通貨市場への関心の高まりがある。7月6日の取引量のうちの過半数を占めたのは韓国と中国の仮想通貨取引所であったことが判明している。コインマーケットキャップのデータを見ても、特に昨今韓国の取引所の取引量が存在感を増していることがわかる。先日、韓国も日本のように利用者保護の文脈で仮想通貨の法整備の動きが起こっていることが報道された。この他タイも仮想通貨の規制緩和へ動き出すニュースが出るなど、アジアのユーザーが参入しやすい環境が整い始めているようだ。
遡って6月27日には、DASHがDASH Evolutionというさらに便利な仕様になるまでのロードマップが公開され、2018年から新しい機能が付加されたDASH Evolutionとなる予定であるというポジティブなニュースが出た。DASHはビットコインよりも高速で匿名性の高い送金を実現するためにデザインされた仮想通貨だが、DASH Evolutionではさらにユーザーが使いやすいウォレットや、メールで招待できるシステムなどのサービスが付け加えられるようだ。英語で発表されたこのロードマップが浸透するまでに時間がかかり、今回の価格上昇につながったとの見方もある。
ビットコインは送金時間が約10分、1秒あたりに処理できるのは実質約5取引ほどといわれており、決済処理能力(スケーラビリティ)をいかに高めるかが今問題となっている。また、ビットコインの取引履歴はブロックチェーンで追跡することが可能で、どのビットコイン・アドレスからどのビットコイン・アドレスにいつ、いくら送られたのかということが公になっている。そこで、取引をより早く実行し、また取引の匿名性を保持したいという意図で開発されたものがDASHとなる。まだビットコインのように実際に利用される段階には至っていないが、DASHの他にもZcashやMoneroなど、送金時に匿名性を保持するための仮想通貨はいくつか存在しており、今後さらに注目度が高まるかもしれない。
《DM》