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中国の規制当局がICOの取り締まりに乗り出す可能性 [アルトコイン評価ニュース]

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中国でICO(Initial Coin Offering)という形による資金調達の取り締まりに向けて規制当局が動き始めている可能性について報じられている。中国の各地元メディアが報じているところによると、8月18日に中国の中央銀行(中国人民銀行)主催の会合で、ICOの取り締まりをするための議論がなされたのではないかということである。同様の動きはアメリカでも見られ、アメリカ証券取引委員会(SEC)は7月25日にICO投資に対する注意喚起と関連する法規制の現状について告示した。この中では、投資家に対してプロジェクトがSECに登録しているか、出資の際にプロジェクト内容について確認すべき点はどこかなどの注意点がまとめられている。

ICOとは、仮想通貨を利用したクラウドファンディングの一種である。仮想通貨関連のプロジェクトが、発行したトークンやコインに対して購入者を募ることによって資金を調達するプロセスだ。株式市場におけるIPOのようなもので、購入者はそのプロジェクトをバックアップすることができる。インターネット環境と親和性が高い仮想通貨を資金調達のプロセスで利用しているためにスピード感があり、今夏にはわずか数時間で160億円超(約1億5,200万米ドル)の資金を調達してICOの過去最高値を更新したバンコール(Bancor)と呼ばれるプロジェクトや、わずか数十秒で36億円超(約3,500万米ドル)を調達したBasic Attention Token(BAT)などのプロジェクトが話題を呼んだ。

中国で報じられているICO規制の内容については、ICOの資金調達目標に制限を課すことや、情報開示に関する要件の強化、また投資リスクの警告を発することについて当局が議論しているという情報もあるが、場合によっては中央銀行がICOを無期限停止にする可能性もあると見る向きもある。中国メディアCaixinは、1998年に定められた行政命令が資金調達について言及しており、これがICOの取り締まりに際して適用される可能性を指摘している。

中国の規制当局がICOに注目せざるを得ない背景には、ここ数カ月、中国国内でICOの人気が爆発的に高まったことにある。中国政府機関によるオンライン金融活動調査によれば、2017年の間に中国人投資家がICO経由で出資した総額は39億4600万米ドル相当に上るのではないかと中国メディアXinhuaは伝えている。

中国の主要なビットコイン(Bitcoin)取引所HuobiのCOOであるZhu氏はICOの危険性について、まだ未整備な面があることから非合理な投資やプロジェクトの暴走を生む可能性があると指摘している。また混乱を避けるために、プロジェクトに対して一定の判断基準を設ける第三者機関の必要性についても述べている。

ICOプロジェクトは2017年春以降急増し、その調達額も巨大化し始めている。もっとも多いものはイーサリアム(通貨単位:ETH)のプラットフォームを利用したもので、イーサリアム価格もICOの急増と共に上昇し、4月1日時点では1イーサリアム=約50米ドル、時価総額約45億米ドルだったところ、前述のBancorプロジェクト終了直後の6月13日には一時1イーサリアム=400米ドル台を記録して時価総額は約367億米ドルとなるなどの相関関係を見せてきた。

アメリカに続いて中国でも規制に関する具体的な動きが起これば、イーサリアムなどICOと共に価格成長を遂げてきた仮想通貨になんらかの影響が起こる可能性がある。

《SI》


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