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仮想通貨のインデックスと投資商品について

 仮想通貨市場の流動性が高まっている。先月には、株式市場ステラジストでExante Data社の創設者ジェンズ・ノルドビッグ氏が「仮想通貨の総取引量は、世界で一番流動性の高いApple社株式取引量を超えるだろう」という発言もあった。確かに2017年初頭と比較してみると、仮想通貨の取引量は約8倍に増えている。まだ安定性に欠ける市場ではあり、株式市場とは性質が異なるものの、今後の更なる成長によっては株式市場というひとつのマイルストーンを捉える日が来るのかもしれない。

そんな中、Fundstrat(ファンドストラット・グローバル・アドバイザーズ:FGA)社が、ビットコインをはじめとする仮想通貨のための5つのインデックスを公表した。合計630の仮想通貨を、時価総額と取引量で5つのグループに分けて追跡するものである。

  1. FS Crypto 10 … Bitcoin、ethereum、ripple、litecoin、DASH、IOTA、およびmoneroを含む10の最大かつ最も流動性の高い仮想通貨が対象
  2. FS Crypto 40 … NEM、bitconnect、Liskなどの市場価値と流動性からみた上位11〜50の仮想通貨が対象
  3. FS Crypto 250 … BitcoinDark、Singular DTV、FirstCoinを含む市場価値と流動性からみた上位51〜300の仮想通貨が対象
  4. FS Crypto 300 … 市場価値と流動性からみた上位最大300の仮想通貨が対象
  5. FS Crypto Aggregate … 上位630の仮想通貨のパフォーマンスすべてを追跡するもの

FGAはこのFS Crypto FXのインデックスについて「仮想通貨の進化と行動をよりよく理解するための機関投資家のためのものだ」と述べており、投資家は、インデックス内の異なる仮想通貨の相対的な値動きをモニタリング・分析できる。ただし、このインデックスに沿った商品は提供していない。

これとは別に、2017年7月には価格に重きを置いたDCI(The Digital Currency Index)というインデックスが起業家のロジャー・ブライアン氏によって発表されていた。主要仮想通貨取引所であるKrakenまたはBittrexで取引される上位30のコインをバスケットに入れ、3か月ごとに市場実績により入れ替え等のバランス調整を行う。各コインは、バスケットに追加される前に少なくとも90日間は時価総額でトップ100に入っていなければならないものとする。

このほかにも、WMX(William Mougayar High Growth Cryptoassets Index)というインデックスは、投資家・仮想通貨研究家、アドバイザー等多才な活躍で著名なウィリアム・ムガヤール氏が手掛けたものだ。同氏が成長性が高いと見る12のコインをインデックス商品として提供している。ムガヤール氏独自の戦略的視点で選択した仮想通貨のラインナップは、毎月見直されることとなっている。DCIもWMXも商品として提供されている。

仮想通貨のインデックス投資は、価格の暴騰や暴落の可能性の高い仮想通貨においては、ある程度長期のポートフォリオの作成ができる点から資産の安定性を保つ一助となるかもしれない。また投資目的の参入者が増加すれば、仮想通貨市場には今後も新たな商品や試みが生まれていくことが予想される。


《SI》


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