バフェット氏、今後も仮想通貨投資に否定的な立場は続くか
アメリカの著名投資家、ウォーレン・バフェット氏は1月10日、CNBCテレビのインタビューで「(仮想通貨は)悪い結末を迎えると、私はほぼ確信を持っている」と発言した。またバフェット氏は、仮想通貨の投資についてはバフェット氏個人も、また同氏が会長である投資会社バークシャー・ハザウェイ社も一切行ったことがないとしている。
ただし、バフェット氏が今後も仮想通貨という新たなテクノロジーについて同様の姿勢を継続することになるかどうかは注目されるところだ。バフェット氏はかつて自身のIT関連の投資行動に失敗点があったことを自ら認め、後悔する発言を昨年行っているためである。
バフェット氏は、2011年まではITやテクノロジー分野への投資を自身の専門外であるとして避けてきた。これを解禁し、2011年にIBMに100億ドル超の投資を行ったことは周囲を驚かせた。その後、IBMの売り上げ減少が続く中でも同氏はこの判断は正当であるとしてきたが、2017年5月にバフェット氏はアマゾンへの投資を行ってこなかったことを「失敗であった」と後悔の念を示す発言をした。またこれを反映するようにバークシャー・ハサウェイ社は2017年にIBMの持ち分を減らし、アップル株の保有を大幅に増やすという決断を下している。バフェット氏はまた、IT業界への投資が従来とは「全く異なる世界」であると認識するに至ったとも発言している。
今年87歳を迎えるバフェット氏はこれまでにもたびたび仮想通貨に対する懐疑的な見解を示してきており、今回の発言も想定内のものとして仮想通貨市場への影響は限定的であったとみられる。昨年ようやくIT関連への投資スタンスを転換させたバフェット氏が、いままさに創成期にあるともいえる仮想通貨に対して否定的であることは驚くことではない。
2017年12月、アメリカの大手先物取引所CMEとCBOEの二社がビットコイン先物の取り扱いを開始したことに続き、今年上半期にはナスダックがビットコイン先物の上場を予定している。今後、市場の変化とともにバフェット氏の仮想通貨に対する投資スタンスがどのように変わっていくのかが注目される。
《SI》