EU、仮想通貨取引所に顧客確認を義務付ける
EU理事会14日、資金洗浄とテロ資金供与の防止に向けた規則の導入に合意し、その施策の柱の一つとして、域内の仮想通貨取引所に対して、顧客確認(KYC)が義務付けることを決定した。
仮想通貨は、利用者の匿名性の高さや国境を越えた迅速な資金移動が可能という特徴を持つことから、麻薬取引やテロ資金供与防止に対する対策が求められてきた。新規則の導入によって、EU内の仮想通貨取引所と仮想通貨を保管・管理できる「ウォレット」の提供企業で、銀行と同じKYCが要求されることとなった。
EU理事会の議長国を務めるブルガリアのヴラディスラフ・ゴラノフ財務大臣は「新規則は、EUで急増したセキュリティに対するニーズに対応し、テロリストが利用可能だった手段のさらに除外する」と語っている。
今回、導入が決まった新規則は犯罪利用という側面からの規制となるが、3月には欧州議会の一部で、仮想通貨を投資家保護の観点から整備された制度である「第2時金融商品市場指令(MiFID2)」の適用対象にすべきとの意見も出た。犯罪利用の防止や投資家保護に向けた法整備は、仮想通貨市場の健全な発展のために必要なものとして、同様の動きが拡がることに期待したい。
《MT》