テザーの担保資産を第三者機関が証明か
法律事務所フリー・スポーキン&サリバン(FSS)が20日、依頼人であるテザー社が、同社が発行する仮想通貨「テザー(USDT)」の価値の裏付けとなる「十分なドル資産を保有している」ことを証明したとする報告書を発表した。
USDTは、レートが米ドルに価値が固定されているペッグ通貨である。その性質上、発行企業であるテザー社はUSDTの供給量と同額の米ドルを担保資産として保有している必要があるが、十分な資産を有していないとの疑惑が拡がっていた。1月にはブルームバーグが、米商品先物取引委員会(CFTC)がこの件に関して同社に昨年12月に召喚状を送付したことを関係者筋の話として報じている。
18日付のFSSの報告書によると、FSSは2018年6月1日時点のテザー社の2つの銀行口座の残高の合計額が約25億4500万ドルだったのに対し、同日時点で市場に出回っているUSDTの量が約25億3800万ドルと同等であったことを確認したという。「FFSは、2018年6月1日時点のテザー社の資産が、流通しているUSDTの残高を上回っていることを確信している」と結論付けている。尚、FSSは監査法人ではなく、今回の調査が会計基準のGAAPに基づくものではないと伝えている。
USDTを巡っては、13日にテキサス大学の教授によってUSDTが2017年のビットコイン価格の操作に利用されたとする論文が発表されたばかり。
テキサス大の論文に対して、テザー社及び仮想通貨取引所ビットフィネックスの最高経営責任者(CEO)を務める ジャン・リュードヴァイカス・ヴァン・デル・ヴェルデ氏は米紙ビジネス・インサイダーによるインタビューで「市場価格操作のような行動に従事したことはない」「取引所において、テザーがビットコインや他のコイン、トークンなどの価格を引き上げることは不可能だ」と語って反論していた。
《MT》