大石哲之:ビットコインキャッシュの混乱
以下は、フィスコ客員アナリストの大石哲之(「ビットコイン研究所)」代表、ツイッター@bigstonebtc)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
仮想通貨ビットコインキャッシュ(BCH)のコミュニティで混乱が起きている。
ビットコインキャッシュは定期的なハードフォークを通して機能をアップデートしていく方針がとられており、 11月18日にそのハードフォークが行われる予定だ。
ただし、そのための機能アップデートに関しては、統一された意思決定機関は存在しておらず、それぞれのクライアントの開発者に委ねられ、どのクライアントを利用するかはマイナー(ビットコインのマイニングを行う人)に委ねられる。つまり、最終的にはマイナーがどのソフトウェアを採用するかで決まり、そのためにより良いソフトウェアを開発する競争が行われるという思想になっている。
今回はBitcion ABCという、市場の 65%のシェアがあるソフトウェアが先に仕様を発表した。しかしこの仕様に対して、ブロックチェーンの研究・開発を手掛けるnChain社のクレイグ・ライト氏がビットコインのオリジナルビジョンから離れるものだと猛反発。
ライト氏は独自のクライアントであるBitcion SV (Satoshi Vision)を開発・配布し、これに対抗するという旗をあげた。
ライト氏がマイナーの一定の支持をえれば、昨年の8月と同様、別のコインに分岐することとなる。この分岐をさけるべく、仕様を統一に皆が協調するのか、それとも別々の道を歩むのか。別の開発グループからは妥協案も提案されており、ビットコインキャッシュ・コミュニティではいま多くの話し合いがなされている。
ひとまずは9月の初旬といわれているライト氏の新クライアントが実際に配布されるのを待つことになる。引き続きビットコインキャッシュの動向についてはフォローしていく。
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※2018年8月23日に執筆
執筆者名:大石哲之
ブログ名:ビットコイン研究所