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日本仮想通貨事業者協会(JCBA)、計画されたハードフォークおよび新コインへの対応指針を公表

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JCBA

 日本仮想通貨事業者協会(略称:JCBA)では、今後予想されるブロックチェーンが分岐するおそれのある計画されたハードフォーク(以下、HF)および HFにより新たに組成される新コインに関し、仮想通貨の流通上の混乱を防ぎ、かつ、顧客資産の保護を図るため、ユーザーへの付与を行う場合の基本的な考え方および付与を行わなかった場合における新コインの取扱いについて基本事項を自主規制として策定。
▼日本仮想通貨事業者協会、計画されたハードフォークおよび新コインへの対応指針の作成・公表 (PDF)

■計画されたハードフォークおよび新コインへの対応指針の作成・公表について

 正会員の合意に基づき、ブロックチェーンが分岐するおそれのある計画されたハードフォーク(以下「HF」)および HF により新たに作られる仮想通貨(以下「新コイン」)への対応に関する当協会の自主規制として、以下の事項を定めるものとします。
会員は、以下の事項の趣旨を踏まえて、自社の対応方針を策定し、顧客に周知するとともに、その概要を一般に公表するものとします。
なお、上記の顧客への周知および一般公表の期限は、平成29年12月31日とします。

1.計画された HF への対応について

  1. 会員は、HF の計画に関する情報収集に努めなければならない。
  2. 会員は、HF の発生時期、HF の内容、HF を計画する者の素性、HF の目的および期待する効果、HF により顧客に生ずるリスクなど、顧客が仮想通貨の利用を判断するために必要とする情報を、適宜、顧客に提供する。
  3. 会員は、HF により顧客資産の保全および顧客との取引の履行に何等かの支障が生ずるおそれがある場合には、HF の発生に備えてあらかじめ業務を一時停止するなど顧客資産の保全および顧客との取引を確実に履行するために必要な措置を講じる。
  4. 前項の措置を講ずる場合には、顧客に対して事前に十分に告知しなければならない。
  5. 業務の一時停止の開始および停止した業務の再開について、速やかに顧客に伝達しなければならない。また、再開時期をあらかじめ定めずに業務を停止した場合には、業務の再開見込みについて、随時、顧客に情報を提供しなければならない。
  6. HF の発生に伴い行った業務の一時停止期間中に生じた当該仮想通貨の価格変動による顧客の損失については、会員は一切の責任を負わない旨を約款その他顧客との契約書面において明示し、顧客にあらかじめ説明しなければならない。

2.新コインの顧客への付与について

  1. 会員は、会員の判断により新コインを顧客に付与しないことがある旨および付与する場合にあっては新コインの流通上の安全性等を確認するために HF の直後には付与することができないことがある旨その他新コインの付与に関わる事項を約款その他顧客との契約書面に明示し、顧客にあらかじめ説明しなければならない。
  2. 会員は、新コインの付与を判断するための基準を設け、その概要についてあらかじめ公表しなければならない。
  3. 会員は、顧客に新コインを付与する場合には、少なくとも以下の事項については十分に確認を行わなければならない。イ.新コインについて二重移転を防止する措置が講じられていること/ロ.新コインに顧客の資産を侵害する仕組みが講じられていないこと/ハ.新コインの有する機能が不法、不正な行為を誘引するものではないこと
  4. 会員は、HF によりブロックチェーンを支える機能が新コインに割譲されたことに伴い、HF の基となる仮想通貨(以下「オリジナルコイン」)の価値が新コインに移転したと認められる場合には、原則として、HF により組成された新コインを顧客に付与しなければならない。ただし、前号の確認事項を新コインが満たしていない場合その他新コインを顧客に付与することが適切でないと認められる場合を除く。
  5. 会員は、前項の場合において、新コインの付与に代え、新コイン相当額の金銭を顧客に交付することができる。この場合、新コイン相当額を算出する基準を予め顧客に周知しなければならない。
  6. 会員は、顧客に付与するためにあらかじめ取得する場合又は前項の措置を講ずる場合を除き、顧客の持ち分により生ずる新コインを会員が顧客に代わって自らが所有するものとして取得してはならない。
  7. 会員は、現に会員の取り扱う仮想通貨について HF により新コインが組成され顧客の保有するオリジナルコインの価値に影響を与える可能性がある場合には、あらかじめ、当該 HF 計画の概要および HF により組成される新コインの内容、新コインの付与対応について、顧客に周知しなければならない。
  8. 会員は、新コインの顧客への付与に伴い生ずる業務コストを、手数料として顧客に請求することができる。ただし、あらかじめ約款その他顧客との契約書面に明示し、顧客に周知しなければならない。また、その額は実際に付与を行った場合に限り生ずるコストを超えてはならない。

3.デリバティブ取引における新コインの権利調整について

  1. 仮想通貨のデリバティブ取引を取り扱う場合には、会員は、当該デリバティブ取引の原資産とする現物仮想通貨に係る取引又は当該デリバティブ取引にリンクした仮想通貨指標に係る現物仮想通貨に係る取引における新コインの付与対応に応じて建玉保有者間の公平性を保つように権利の調整を行わなければならない。
  2. 会員は、HF による新コインの組成ならびに付与に伴うデリバティブ取引の建玉の権利調整方法について、あらかじめ、約款その他顧客との契約書面に明示し、顧客にあらかじめ説明するものとする。
  3. 会員は、現に会員の取り扱うデリバティブ取引に関連する仮想通貨について HF が生じ、新コインが組成される場合には、あらかじめ、当該 HF が生じた後の具体的な権利調整方法について、顧客に周知しなければならない。
  4. 会員は、上記①の権利調整に伴い生ずる業務コストを、手数料として顧客に請求することができる。ただし、あらかじめ約款その他顧客との契約書面に明示し、顧客の同意を得て徴求するものとする。
  5. 会員は、前項における手数料を、実際に権利調整を行った場合に限り生ずるコストを超えて顧客に請求してはならない。また、会員が保有するポジションにより生じた損失額を顧客に請求してはならない。

4.対応方針の概要公表について

新コインの付与条件が HF 前の仮想通貨の価格に与える影響を鑑み、会員は、上記1.~3.に関する対応方針を策定し、その概要を一般に公表する。

5.新コインの売買等の取扱い

  1. 会員は、取り扱う仮想通貨の HF によって生じた新コインを、仮想通貨交換業における取扱い仮想通貨とすること又は取扱い仮想通貨としないことができる。
  2. 会員は、オリジナルコインを保有していた顧客に新コインを付与した後でなければ、新コインを取扱い仮想通貨とすることができない。ただし、オリジナルコインを HF 時点では取り扱っていない場合および HF 後 10 年を経過した場合を除く。
  3. 新コインを取扱い仮想通貨とする場合には、他の新たに取扱う仮想通貨と同様に、社内審査その他の手続きを行い、取扱いの決定を行わなければならない。
  4. 会員は、顧客に新コインを付与した場合であっても、当該新コインを仮想通貨交換業上の取扱い仮想通貨としないことができる。

▼日本仮想通貨事業者協会、計画されたハードフォークおよび新コインへの対応指針の作成・公表 (PDF)