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【金融庁】仮想通貨交換業者の行政対応について(2018/1/29記者発表よりまとめ)

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金融庁

 金融庁は、2018年1月29日に約580億円分の顧客の仮想通貨「NEM(ネム)」を流出した仮想通貨取引所「コインチェック」に対し、システムリスク管理態勢及び顧客保護に関する内部管理態勢等に不十分な点が認められたことから、関東財務局長が同社に対して業務改善命令の行政処分を発表。
▼関東財務局:コインチェック株式会社に対する行政処分について

コインチェック株式会社に対する行政処分について
平成30年1月29日
関東財務局

 コインチェック株式会社(本店:東京都渋谷区、法人番号1010001148860、資金決済に関する法律(平成21年法律第59号)附則第8条に基づく仮想通貨交換業者)(以下、「当社」という。)においては、平成30年1月26日(金)に当社が保有していた仮想通貨(NEM)が不正に外部へ送信され、顧客からの預かり資産5億2,300万XEMが流出するという事故が発生した。
 これを踏まえ、同日(26日(金))、同法第63条の15第1項の規定に基づく報告を求めたところ、発生原因の究明や顧客への対応、再発防止策等に関し、不十分なことが認められた。

 このため、本日、同社に対し、同法第63条の16の規定に基づき、下記の内容の業務改善命令を発出した。
(1) 本事案の事実関係及び原因の究明
(2) 顧客への適切な対応
(3) システムリスク管理態勢にかかる経営管理態勢の強化及び責任の所在の明確化
(4) 実効性あるシステムリスク管理態勢の構築及び再発防止策の策定等
(5) 上記(1)から(4)までについて、平成30年2月13日(火)までに、書面で報告すること。

以下は同日、金融庁で行われた「仮想通貨交換業者への行政対応について」の記者説明の質疑応答についてまとめます。

■金融庁:仮想通貨交換業者への行政対応について



Q.コインチェックに求めた報告について
A.4点求めた。1.発生原因 2.顧客対応・今後の予定 3.拡大防止策 4.財務・資金繰りの影響
1・2・3についてまだちゃんとした対応が練れていないと判断

Q.(コインチェックに対し)業務停止命令を出さなかったのは?
A.利用者保護の観点など総合的に判断、今回については業務改善命令ではあるが、顧客被害の更なる拡大防止のため。現在コインチェックは口座開設受付なども自主的に停止している。

Q.仮想通貨について金融庁は技術的な側面に対して
A.技術面ではコメントいたしません。仮想通貨取引業者の適切性に対し適切な業者かどうか審査し、モニタリングしております。今回は利用業者の業務体制に問題がありましたので処分となりました。

Q.ICOについて
A.仮想通貨業者に対する規制・監督体制については世界に先駆けて展開している。ICOについては、バランスをもって検討中。

Q.顧客保護について:売買停止後にZaifのレートを利用し算出価格をだしていることについて(2割ほど下落していることについて)
A.金融庁としては、適切な対応が行われるということを監督していく。個々の条件については関与するものではない

Q.仮想通貨交換事業者の現状について
A.登録16社、みなし&申請中16

Q.金融庁はコインチェックの財務状況のチェックをどこまで
A.9月時点でのBSまではチェックしているが、直近までのものは現在確認中である。

Q.コインチェックの登録がまだ下りてなかった要因については
A.個別の審査情報については申し上げられません。ただ、一般論として、マネロン・分別管理の状況・システム管理体制の状況などから判断。

Q.各社のシステム管理体制について
A.26日(金)に全仮想通貨交換業者に注意喚起を行った。現在各社点検中で、また緊急の調査を行う予定。どのように自己点検しているか、また結果についてヒアリング。その上で必要に応じて立入検査も。

Q.発覚から3日での処分について
A.仮想通貨の取引は頻繁に行われるものであるので、迅速な対応となった。

Q.規制・登録制導入後に投機が盛り上がったことについて、国としてお墨付きをあたえてしまったのでは?
A.イノベーションの促進と利用者保護にもとづき、現時点の体制になっている。現に今回の問題が行った場合にも迅速に対応ができた。

Q.今後規制の強化となるのか
A.関係省庁全体の中で検討。

Q.自主規制機関の役割について(JCBA・JBA)
A.本日29日、過度な広告を行わないように、規制団体より注意喚起を行ったとのこと。

Q.コインチェックの審査は今回の件を受けて変化があるのか
A.個別の審査なのでコメントは控えます。

Q.みなし業者のあり方、見直しはあるのか
A.経過措置ということであり、利用者もおられることから、現在の法律・対応になっている。

Q.コインチェック:入金はできるが、出金ができないが
A.現在コインチェックの方でシステムのセキュリティを検討中とのことで、金融庁としては報告待ち。まだそこについて十分な説明を受けていない。

Q.今回日本の業者であったが、海外の業者については?
A.権限が及びません。

Q.みなし業者として放置されているリスク、対策について
A.みなしもふくめて全社に注意喚起を行っている。緊急調査を行い、ヒアリングし、必要に応じ、立入検査も実施検討。

Q.オンライン、オフラインなどシステム管理・体制についての考え方は
A.ガイドラインについては、利用者の利便性を損なわない範囲で、コールドウォレットで管理すること、マルチシグの対応を行うこと、秘密鍵についてはオフラインで管理

Q.登録申請が却下された件数は
A.自主的に下げた業者(十数社)はありますが、当局から却下した件数はありません。

Q.コインチェック社の現状について
A.報告では返済できる原資があると受けているが、まだ具体的な所は今後精査。

Q.当件の不正アクセスについて
A.まだコインチェック側も調査中である(あくまで業者側が調査)

Q.業務改善計画を2/13までとあるが
A.顧客への対応はコインチェックの方で決定されること。資金の返還の時期とは関係ありません。

Q.他の交換業者についての見解:財務諸表など
A.監査法人が関与することが義務付けられている。公表は制度の中に入っている。

Q.みなし業者というのはいつまで続くのか
A.審査のスピード次第ですが、法律上は期限がない。

Q.海外金融当局などから今回の件についての問合せなどはあったのか
A.現時点ではありません。金融庁としては、今後も連携をとっていきたい。

Q.奪われたNEMの動向について
A.報告は受けている。

Q.今回の処分内容は甘いのではないか
A.処分内容の配慮はありません。業務停止の話であれば、顧客保護の観点も検討しての上だ。

Q.金融庁は利用者保護をするべきなのか(仮想通貨という本質上)
A.金融庁としては両方の要請などから判断した上で現行の制度となっている。尚、我々は仮想通貨の価値を保証しているものではありません。その点が法定通貨への対応とは違います

Q.みなし業者の申請取り下げについて
A.審査の中で、かなり突っ込んだやり取りをしています。その結果もあり(自主的に)取り下げたというところもあります。

Q.今後業者のM&Aなども出てくると思うが、買収側の審査については
A.当然審査をします

Q.バイナンスなど海外取引業者への対応ついては
A.無登録業者には警告を行っております。まずは照会をして、無登録であれば警告という流れ。

Q.当件、現金で補償すると発表したが
A.まだ具体的なやり方については報告を受けていない。

Q.NEMが流出したから、現金ではなくNEMで支払うべきでは?
A.コインチェックからの報告では、仮にNEMを調達して返還する場合は、市場に与える影響が大きいこと、早期解決は難しいとの判断から、とのこと。