第2回「Gox」（ゴックス／ごっくす）
■解説「Gox（ゴックス）」
「Gox」は、2013年に「システムに弱いところがあって…」とビットコイン消失事件（真相を巡り裁判中）を起こし、日本でも物議をかもした当時世界最大のビットコイン取引所の「Mt.Gox」から来ています。Mt.Goxは渋谷に拠点を置いていたこともあり、この事件により日本では「ビットコインは怪しい」「危険」などというイメージを持ってしまった人も多かったようです。
これは当然ビットコイナーにとっても衝撃的事件で、今もまだ債権者はビットコインの返金を待っているような状態ですが、ここから転じ暗号通貨取引所がハックされてお金を失ったり、資金を持ち逃げすることを「Goxする」「Goxされた」などと業界では言うようになりました。実際Mt.Gox事件後も、取引所は頻繁にハッカーから攻撃されたり、運営者が資金を持ち逃げする事件が相次いでいます。大きな「Gox」事例だけでも、Mintpal（持ち逃げ）、Cryptsy（ハック＆持ち逃げ）、Bitstamp（ハック）、Bitfinex（ハック）など文字通り数え切れません。Goxはビットコイナーにとって最大の恐怖なのです。
そこまでならまだ理解できる（？）範囲なのですが、いつ頃からかこのGoxという言葉、もっと一般的な失敗や事件などにも使われるようになり、界隈の至る所で聞くお馴染みの言葉になっています。
■活用・応用例
「昨日マジ残業でGoxした」
もはや何を言っているのかよくわからないですが、何か残業でかなりしんどかった、死亡した、みたいなことを意味するのでしょう。学生の場合は「期末Goxした」「単位Goxした」などの用法が相性がいいです（ちゃんと勉強しましょう）
「嫁Gox」
暗号通貨界隈では、リスクの高い暗号通貨投資やトレードを奥さんにバレるのを恐れながら、日々隠れて活動している既婚コイナーもいます。彼らの最大の恐怖は暗号通貨に手を出していることがばれ、暗号資産を嫁に全て没収される、もしくは家庭そのものが崩壊することで、これを総称して「嫁Gox」とか言ったりします。ただし、自分も雰囲気でこの言葉を使いますが、正確にはもはやどういう意味か誰もわかってはいません。奥さんの尻にしかれているビットコイナーはそもそも、常に嫁Goxしているという説あります。
稀に暗号通貨女子が彼氏に愛想をつかされる「彼氏Gox」というのも存在するようです。
▼[関連コラム]ビットコイナーと税理士の狭間で：第1回「嫁GOX～終活のすすめ～」
「セルフGox」
暗号通貨を扱う上で秘密鍵の管理は最重要です。秘密鍵をなくしてしまうと誰も後で復元することは出来ず、ウォレットに入っていたビットコインなどにアクセス出来なくなってしまいます。このように自分の過失で勝手に「Gox」してしまうことをセルフGoxとか言ったりします。セルフGoxで数千万円以上の暗号通貨資産を失ってしまった人もざらにいるので気を付けましょう。なお、暗号通貨関連のラップソングを作っている、DJ Selfgoxという暗号通貨MCも存在します。
▼DJ SelfGoxのページ↓
https://www.youtube.com/channel/UCzXU-qmJAUuj8nsqPdgUfSg
■関連用語
「Rekt」
海外のコミュニティーでよく「Rekt」などという言葉が使われるのですが、これはトレードなどで大損した時などに「大損した」「めちゃくちゃにされた」的な意味で使われます。
【コージー東に解説して欲しい用語を大募集！】
仮想通貨界隈で使われている独特な用語、わかったフリしていませんか？はたまた間違った使い方をしていないでしょうか？そんなあなたの知りたい仮想通貨独特用語（クリプトワード）についてコージー東がわかりやすく（面白く）解説していきます。聞きたいワードがあればこちらからご投稿ください。
