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ビットコイナーと税理士の狭間で

第17回「仮想通貨の価値喪失」

ビットプレスがオープンして1年が経過したとのこと。めでたい。
私にコラムの依頼をするなんて怪しいと、警戒していましたが全然そんなことなかった(笑)

去年の今頃は、嫁GOXMemorychainなどで騒いでいましたが、耳にすることもなくなっています。

それでも最近、MemorychainはTシャツ業界に進出らしいです。懐かしい。
https://www.memorychain.store/

流行り廃りが激しい、というか次々と色々な話題が出てくるので、続いていても忘れ去られるようなこともありますが、なかには終焉を迎えてしまった仮想通貨も存在します。

今回は、上場が廃止された仮想通貨について考えてみようかと。

すべての仮想通貨が価格が付いて売買できるとは限りません。

仮想通貨を購入して、ぜんぶ売却をした場合など、税金の課税対象になります。

売却金額>購入金額は、利益です。申告が必要です。
購入金額<売却金額は、損失です。申告不要です。

しかし、購入して、保有したまま売却することが出来なくなった場合の扱いはどうなるでしょうか。

他の仮想通貨で100万円の利益、オワター仮想通貨が日本円で100万円分あるとして、仮想通貨の雑所得の計算は、100万円(利益)-100万円(損失)=0で申告不要でしょうか。一応、オワター仮想通貨を保有しているので、損失とは出来ずに、100万円(利益)で申告が必要でしょうか。

ICOに関しては、詐欺若しくはプロジェクトがうまくいかないことも多々あります。
▼COINTELEGRAPH:ICOの19%に「危険信号」、米WSJが1450のICOを調査

すばらしい可能性があったとしても、もしかしたら…、ということもあり得ます。
http://www.howeycoins.com/index.html

コインチェックで一部の仮想通貨の取り扱いを廃止することが決まりました。
▼コインチェック株式会社:一部仮想通貨の取り扱い廃止のお知らせ

コインチェックでの取扱いが終了すれば、日本の取引所で扱っている所はなくなります。
しかし、海外取引所では売買が可能ですし、個人と個人が取引(相対取引)ことも可能です。

今回の件は、その仮想通貨自体がオワターということではないので、コインチェックの取扱いが終了したあとでも海外の取引所に口座を開設するか、相対取引で買い取ってくれる人もいるでしょう。売買は継続できそうなので、日本の取引所で扱えなくなることをもって損失計上することは無理そうです。

上場株式は、上場廃止になったからといって即、損失として他の株式の利益からマイナスすることが出来ません。会社が存在し、継続していくのであれば、価値が0になった訳ではないので、まだ損失としては認められません。上場廃止に加え、破産手続開始の決定などがあった日に株式としての価値が失ったことにより損失(みなし譲渡損失)計上となり、他の株式に利益が出ていれば、その利益から損失分をマイナスすることが出来ます。
価値喪失株式と呼びます。

仮にその仮想通貨の取扱いが日本でも海外のどの取引所でも終了した場合、どうなるでしょうか。

株式の件を踏まえて考えると、オワター仮想通貨として損失計上するためには、マイニングが停止し台帳に記載されない状態で、ということになります。若しくは、誰も受け取らない(受取れない)。
ERC20トークンなど、何にも行われなくなったとしてもトークン自体の送受信は、価値はなくても行える状態にあったりもします。
当初のプロジェクト自体は、終わっていることもあるかもしれないですし、自分ではオワターと思っているけど、実際はその仮想通貨を使った別のプロジェクトが動きだしていることもあるかも知れません。
この仮想通貨を終わりましたと明確にわかれば良いですが、損失として計上する日を何時にするのか悩ましい仮想通貨も出てきそうでです。

市場が存在するうちに手放した方がわかりやすいですし、節税になりそうです。

保有してから売却するまでのリスクはたくさんあります。
そもそも、そんな仮想通貨を掴まなければ良い話なのですが・・・、賢明な判断を。

売却することがほぼ不可能?なトークン、たくさん保有してますけどね(笑)



(コンプしてたと思ったらしてなかった・・・、売れないw)

所得税法51条4 資産損失の必要経費算入
居住者の不動産所得若しくは雑所得を生ずべき業務の用に供され又はこれらの所得の基因となる資産(山林及び第六十二条第一項(生活に通常必要でない資産の災害による損失)に規定する資産を除く。)の損失の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補てんされる部分の金額、資産の譲渡により又はこれに関連して生じたもの及び第一項若しくは第二項又は第七十二条第一項(雑損控除)に規定するものを除く。)は、それぞれ、その者のその損失の生じた日の属する年分の不動産所得の金額又は雑所得の金額(この項の規定を適用しないで計算したこれらの所得の金額とする。)を限度として、当該年分の不動産所得の金額又は雑所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
▼「ビットコイナーと税理士の狭間で」をご覧のみなさまへ
当コラムで取り上げて欲しい話題、また丸山先生へのメッセージ・ご感想などあればこちらからご投稿ください。

丸山正行税理士事務所

プロフィール

丸山正行

丸山 正行

Masayuki Maruyama

丸山正行税理士事務所 代表(ビットコイナー税理士)

2012年08月 税理士試験合格(簿記論、財務諸表論、法人税、所得税、消費税)
2014年01月 税理士登録
2015年05月 ビットコイナー
2016年08月 TAKARAで初トークンをゲット
2016年11月 ペペコイナー
2017年02月 税理士報酬をビットコインで初決済
2017年04月 メモリーチェイナー
2017年04月 エコビットコイナー

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