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【ICOカンファレンス】「仮想通貨の歴史、今後の展望」bitFlyer代表 加納裕三氏 講演レポ

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「仮想通貨の歴史、今後の展望」bitFlyer代表 加納裕三氏×AnyPay代表 木村新司氏


AnyPayは2017年10月5日に東京・港区 虎ノ門ヒルズフォーラムにて「ICOカンファレンス」を開催。その中からここではSession3:「仮想通貨の歴史、今後の展望」bitFlyer代表 加納裕三氏、AnyPay代表 木村新司氏の講演レポート・要旨をお届けします。

Session1:「ICO概況、国内外の事例紹介」AnyPay ICO事業推進担当 山田悠太郎
Session2:「ICOの法的整理」創法律事務所 弁護士 斎藤創
Session3:「仮想通貨の歴史、今後の展望」bitFlyer代表 加納裕三、AnyPay代表 木村新司
Session4:「ICOについて考える。ICOが今、注目される理由」
      メタップス代表 佐藤航陽、VALU代表 小川晃平、gumi代表 國光宏尚、AnyPay代表 木村新司
Session5:「ICOコンサルティング事業の紹介・展望」AnyPay代表 木村新司
Session6:「今後実施のICO事例紹介」

■仮想通貨の世界へ

木村:なぜ仮想通貨の世界に飛び込んで、ビットコインをやろうと思われたのでしょうか。

加納:ビットコイン、もともと2010年位から知っていて、2013年の10月位に前FRB議長のベン・バーナンキさんが容認発言をしたことで、ビットコインが急に上がったんですね。米国が容認するのであれば、取り組んでみるかと思い2014年1月起業しました。

木村:2014年2月にマウントゴックスの事件が起きて、4月位にサービスをスタートされたと。その当時のことを覚えていますが、いろんなベンチャーキャピタルなどをまわって殆ど断られていましたよね。そんな中でも価値がつくと思われていたのはどういった部分でしょうか。また今、ビットコインにどういう風に価値がついているのかお聞かせください。


bitFlyer代表 加納裕三氏

加納:まさに2014年はかなりシビアで、ファイナンスをかなり断られ、米国でも断られ、その当時はでもブロックチェーンもビットコインもかならず世界を変えると思っていました。弊社のロゴ、青いブロックがあって真ん中にオレンジがあるんですれけど、このロゴは実は私がパワーポイントで作ったもので、未だにそのまま変わっていません。ブロックチェーンのブロック(青色)とビットコイン(オレンジ)なんですね。この2つはメジャーテーマになると信じていました。

ビットコインの価値というのは技術的背景に支えられていると思っていました。ただ、お金に信用が生まれる瞬間というのは、自分が信じるかどうかではなく、渡した相手(第三者)がどう思うかということを信じれるかだと思うので、その信頼連鎖が起きる所はなかなか読めないところだと思いつつ、ただ一度起こってしまえばなかなかひっくり返らないだろうなと。

木村:価格についてはどういう風に考えられていますか。

加納:長期的には伸びるとは思っていますが、価格が幾らというのは言わないようにしています。まず、ビットコイン・仮想通貨は基本的には買いからしか入れません。ゼロスタートなので、ユーザーが増えると買いで上がるという考え方がひとつ。もうひとつは、発散系だと私は思っていて、ある値に収束する要素があまりないかと。例えば株だと配当が5%もらえますと、配当が1%になってしまうと割高だといったように、原点に回帰するチカラが働くわけです。割安すぎる、割高すぎると、なんとなくアナリストがフェアバリュー(適正価格)というものを求めて、それに向かって収束していくというチカラが働くのですが、それに対し仮想通貨は発散系で何か数式で出せるものというものがない。そうすうと上に跳ねる、下がるといった非常に不安定なものになりがちかなと。

じゃあ今までフェアバリューを探そうとした人がいるかというと、いるんですね。これは2015年位にゴールドマンが出した1300ドルくらいではないかというレポートがでました(当時200ドル位)。

木村:ビットコインはゴールドなのか、通貨なのかについてはいかがでしょうか。

加納:ゴールドというのは、基本的にモノとして使えるかどうか、実用資産なのか法定通貨なのかというと、ビットコインはそれ自体使うことはできません。そういった意味では何もないところに信用が生まれてきたのかなと。コモディティなのかカレンシーなのかというのは、これは法律的な定義でしかないと思っています。

木村:使われ方としては価値保存としてか、決済・送金として使われていくのでしょうか。

加納:価値が保存される前提で、決済なのかスペキュレーション(投機)であるのかという話であれば、最初はスペキュレーションだと思います。ドル円も同じで、資産なのか決済かというとわからないと、スペキュレーションにも使われていて実際にそうなっていると。最終的には決済で使われるという大義名分があるので、買う人がいると思います。

ビットコインもちゃんとエコシステムが育っていって、決済に使われる、中間通貨として使われるいった色々なユースケースが生まれてくると、そのあたりがサポートされてくるのではと思っています。

■bitFlyer(ビットフライヤー)について

木村:この2年間位で凄い成長をしてきていますが、今後取引所としてどういうポジションを取っていきたいのか教えてください。

加納:取引所だけではなく、取引所をエンジンとして色々な事(ユニバーサルサービス)をやっていきたい。ポジションとしては設立当初からグローバル・カンパニーになりたいという非常に強い思いがあります。アメリカは来月くらいにはパブリックローンチできるかと。やはり横展開していかないとバリューがでないと思っています。

世界共通の仮想通貨は使っているものは一緒ですから、いずれ手数料競争位なることは見えていて、それを横展開してサービスを乗っけてバリューを出していかないとうまくいかないと思っています。


「仮想通貨の歴史、今後の展望」bitFlyer代表 加納裕三氏×AnyPay代表 木村新司氏


木村:海外ではどういう進め方をして行こうと思われていますか。

加納:アルトコインどうするかというのは国によって違うと思っていて、海外ではビットコインとアルトコインの違いはそんなにないので。増やせるだけ増やすというのもひとつの考えだと思います。一方で日本のホワイトリストがすごく緩い感じで、ぺぺキャッシュが入っていたりと。

ホワイトリストがわりと広い範囲で取られたというのは面白いと思っていて、このあたりが緩いと色々な事ができるんじゃないかと。繰り返しになりますが、国によって規制が違うので、その国に合わせた形にしていく形かと。

木村:どういう攻め方をしていくのか、加納さんの出方を興味深く見ています。仮想通貨の世界で何か作り上げていこうという点についてはどうお考えでしょうか。

加納:仮想通貨でしかできない、仮想通貨でやったほうがやりやすいもの、ICOとかそうですよね。かなりリスキーであるもの現実ではありますが。正しい情報発信などをちゃんとしてやるのであれば会社にとっては新しい資金調達となりますし、投資家にとってもいままでベンチャー投資ができなかったものが身軽にできるようになるのは面白いと。

またブロックチェーンでしか出来ない仕組みも今後出てくると思っていて、、、また何かでると思いますし、ここは注目しています。

木村:マイニングについては事業化など考えておられないのでしょうか。

加納:マイニング、実は内緒でやっているんです。ずっとテストしています。どこかでハッシュパワーを売りたいなと思っています。

(2017年10月5日 虎ノ門ヒルズフォーラムにて)

▼AnyPay主催ICOカンファレンス公式WEBサイト


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